古ハル→キョン
まさかすぎるネタ
ハルヒコのみ性転換

ハルヒコは古泉の事を一樹と呼んでいます。





just1



「見…るなッ」

その口調にいつもの覇気はなく目は真っ赤に腫れている。どうしたんだ。いったいなにがどうなっている。




「最近一樹がよそよそしいと思う」

ハルヒコはパソコンに目をやりながら頬杖をつきながら大きすぎる独り言を言った。

「そうか?俺にはそうは思わないが。」
「なんだろうなー、すごく疲れているような……」

そりゃなぁ、おまえがSOS団なんぞ作って身内を連れ回しているからだよ。古泉も疲れるだろうさ。
そういうのじゃなくてなぁ、とつぶやくと椅子から降りて大きく背伸びした。

「その年から骨の音が鳴るなんてジジくさいぞ」
「ばっか。間接の間に挟まった空気の音だ。」

机の上に置いてあった筆記用具を鞄の中に乱暴につっこむとブレザーを羽織った。

「あれ?帰るのか?」
「今日は朝比奈さんも有希も次いでは一樹までもが事情により欠席なんだと。みんなして休みやがって。」
「おい、早くいえそう言うことはもっと早く!」
「わりぃわりぃ」

悪びれる様子もなくハルヒコは笑うと途中まで帰ろうと言った。







最近一樹からの視線が違うからちょっと怖いと思いつつ知らないフリをしていたんだ。SOS団の団長なんだ。団員を信じずしてどうする。そんな信念を掲げてみたりして。そんないつもは俺にイェスといってくれる一樹からメールで今日の放課後あいていますか?と来たからすぐに俺は返信した。昼休みだったかな。購買で買ったパンをかじりながら校内を歩いていたらメールがきた。なんとなく不安だったんだが一樹と1対1で話せる機会なのかもと思ったらちょっとワクワクしたし。
その後5組に戻ろうとしたらチョイチョイとシャツをひっぱられて後ろをむいたら有希。

「これ、彼に」
「彼?キョン?」

コクリとうなずくと階段を駆け下りていった。もうすぐ授業始まるのにどこへ行くんだあの子。もらったのは単行本。キョンも本をよむのか。あ、いやそう意味ではない。確認だ確認。

一樹との待ち合わせには随分と時間に余裕があったのでキョンと一緒に途中まで帰るフリをした。なんでもないようなことが幸せだったと思うのはまんざら間違いでもない気もする。

でキョンに勇気づけられて俺は学校に戻ってきている。上履きに履き替えて部室棟に向かう。


廊下がなんだか寒い。







帰路はただ単に談笑していた。寒空の下だと電車が通過する時間も耐え難い。あ、と隣で声を出したハルヒコを見上げると携帯のディスプレイに目をやったままだった。

「やば、忘れ物」
「学校?」
「多分」
「多分ってなんだ、多分って。」


踏切のバーがあがった。


「俺ちょっくら戻ってくるわ。あ、そうそうこれ」

バックをごそごそ探って取り出した単行本は長門からの物だという。今日中に読んでほしいとの事らしい。しかしまぁ、あの涼宮ハルヒコなる者がよく人からの伝言、悪く言えばパシリなーんてものを引き受けたものだ。成長したなおまえ。

「うるせぇハゲ」

俺はうるさく言ったつもりもハゲてるつもりもないぞハルヒコ

「はいはい」


カンカンカンカン


踏切特有のサイン。今日はこいつがいやにはやくないかと思うほど。ハルヒコがさっさと帰れと言わんばかりにヒラヒラと手を振った。

「なぁ、キョン!」

ん?

「おまえってさ、友達?」

俺がおまえの?
なにを今更な事を
馬鹿馬鹿しい事を今更いうな。あんなに振り回されてるのに楽しいと思うのもおまえがいるからなんだぞ。

完全にレールがさがって電車が来たと同時に叫んだ。声が聞こえたかはどうかはわからないが伝わっていたんじゃないかと思う。上りと下りの電車が計3本通過する長い時間俺は踏切の前に立っていた。ハルヒコがもうそこにいないのはなんとなくわかっていたし、俺もいる理由は無くなっていたのにな。ただブレザーのポケットに振動で届くメッセージを待っていたのかもしれない。なんという乙女系ボーイ


『ありがとな』


感謝されるのも悪くない。俺はスンと鼻を鳴らしてマフラーをまき直すと携帯をしまって家に向かった。






耳を疑った。

「涼宮くんの力が無くなったと言って差し上げたんです」

目がマジだ。

「理解はできるが納得がいかないなだいたいなんで」
「この数ヶ月観察し続けた我々の結論です。未来人や宇宙人の意見はわかりませんが、超能力者の見解です。彼はもうただの人だ。」
強引に話を進める古泉に俺は言う。

「閉鎖空間がでないからか?ハルヒコが言うちょっとした事が現実にならないからか?」

「それもありますが」

古泉が持て余していた手で前髪をなでつける。ゆっくりと口を開く。

「感じるんです。」

なにを

「彼が僕らを求めていないってね。」

いつだったか古泉は自分が超能力者であることを悟った日がきたと言っていた。その類なのだろうか。

「いきなり僕を超能力者にしたてたと思ったら、いらなくなったから捨てる。最低な方ですよ涼宮君は」

「だから、か?」

「だから、こそ」


こいつの微笑みが怖いと感じた。


「今までの代償ですよ」






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