下駄箱に行くと涼宮がいた。

俺より高い身長。
形のいい唇
筋の通った鼻
目もキレイ
イケメン三種の神器が乗った高級テーブル。非の打ちようがない顔だ。悪く言えば濃い。私濃い人だめなのという女の人にでも振られてしまえ。





ま、今は…とりあえず無視だ。





一方的に責任を押し付けた方としてはこういった場合なにもいえない。初めて抱かれたときに本当に嫌だったら力ずくでも振り切れば良かったんだ。涼宮の力が強いと言っても振り切る力くらい俺にだってある。

すべての責任を涼宮に押しつけようとしてる。はぁ、バカだ

冷静に考えりゃさっきのなんて俺が勝手に想像して不安になって突き飛ばしただけなんだ。遊びだって分かり切ってりゃいい話なんだ。









涼宮ハルヒコはその顔立ちから中学時代は引く手あまただったらしい。自己紹介で名前を聞いたときはまさかと思った。他校にでも涼宮の噂は飛び交っていた。実際奴に食べられた女は学校にいたしな。
そんな野郎が不思議な妖精さんだとしったのは初めて口をきいたときだった。頭の中がお花畑、いやそんなかわいいものじゃない。とにかくおかしかった。未来人だの宇宙人だの超能力者だの。発想がガキだった。



「キョン」
「どいてくれないか。さっきのは悪かった。俺どうかしてたんだ。ごめんな忘れてくれ」
「あ、いや…」
「俺もう話しかけないから、話しかけないでくれるか、すまん」










そんな涼宮が作った部活に入部させられた俺はいつのまにか奴とキスをするようになった。初めは奴からだった。肩をたたかれ振り向いたら唇を奪われてた。びっくりはしたが嬉しかった。俺はホモではないと信じているが、実際涼宮に惹かれていた。




「いきなりどうした?」
「いきなりじゃない、前から思っていたことだ」
「じゃあ何で今まで」







抱かれたのは部室。床は痛かったし初めて挿れられた時は死ぬかと思った。でも何回かヤってるうちに気持ち良くてイけるようになった。そのあたりから涼宮の浮いた話を聞かなくなった。もしかしたら俺のおかげか?と調子に乗ったこともあった。でも、これがいつまで続くんだろうと考えたら怖くなった。俺のことをどう思ってるかきいた事なんてなくて。


だからなおさら。








「じゃあ何で今まで、俺に抱かれてたんだよ」
「遊びだよ」
「遊び……?」
「涼宮は違うのか?」
「…………俺…」









キョンとつるみ始めたのは不純な動機だったが、2人でいるのは楽しかった。キョンは俺のわがままに良くつきあってくれたし。

街に出向くと毎回女に声をかけられた。知り合いもいれば始めてみる奴もいた。キョンは顔を赤らめて女の質問に答えていた。こんなに女の子に話しかけてもらえるのは初めてだと少し困ったように笑っていたっけ。
知り合いの女達は一通り俺と話すとキョンの方をチラリとみて、今度遊んでもらっていいか聞いといてといってきたものだ。そんなのはキョンの勝手じゃないか俺は関係無いと少しイラついて本人に聞けよといった。あなたとちがって堅そうだから聞きづらいの、だそうだ。その回答に気を良くした俺は笑顔で聞いとくといって女にキスをした。舌まで入れてあげる。そうするとキョンの顔がゆがむんだ。知ってる?もちろん女がいってた事なんて言うはずがない。


俺はそのきれいな顔が歪むのが好きなんだ。










きっかけを作ったのは俺だ。キョンを適当に言いくるめて入部させた部活の部室でダラダラしていると、いつも第一ボタンまでしかあけてない奴が第二ボタンを開けた。なにやらものすごく蒸しているといっていた。確かにクソ暑い。俺はそれどころではなかった。キョンの普段みたことない鎖骨がチラリとのぞく。俺はかみつきたくなったを良く覚えている。

男の性欲なんてこんなもんだ、と自分にいいきかせた。












明らかにそれ以外の感情があったことももちろん気づいていたさ。



部室から出て行こうとするキョンを引き止めてキスをすると、驚きはしたが直ぐに受け入れてくれた。舌を入れると奴も舌を出してきて絡めてくれた。

唇を離すとキョンは肩で息をした。苦しかったのだろうか。顔を真っ赤にして整った眉を曲げていた。口の端からは唾液が流れていた。あぁなんだこの変態は。お前はキョンだろう?エロッ

なにもいえないでいると、

「もう一回していいか?」

と聞いてきたので、俺は何もいわずにキョンに噛みついた。据え膳食わぬ程俺は枯れていない。相手が男でもね。









それから俺はキョンだけで遊ぶようになった。女に飽きた訳ではないと思うのだが、キョンだけで良い、という感情が実際問題渦巻いていた。キョンを味わっていたかったのかな?他の味を感じたくなかったのかもな。

キョンは女でもないのに一番奥を突かれるのが好きだ。奥というか俺を全て飲み込む事で快楽を得られるヤラシイ奴。前立腺を責め立てて、勢い良く奥につっこみ、勢い良く引き出してやる。そうすると嬌声をあげ、足をもっと広げ、自ら腰を揺らし始める。
キョン自身達しやすいのでイかないように抑え込んで腰を進退させてやると、その度にビンビンに勃起した先からとろりとした蜜を出す。こんなエロい光景は初めてみた。俺はハマっていくことになる。



キスをしても抱き合っても俺達は何事もなかったように過ごした。
キスしていい?とも抱いてもいい?ともお互い口にしなかった。
キョンがキスしていいかと聞いたのは後にも先にもあの初キスの時だろう。


その場の雰囲気を言い訳にして俺達はお互いを求め合った。



好きだ
とも
嫌いだ
とも
口にすることはなかった。



ただ
わかっている気だけしていて。






「俺のこと、嫌いか?」






わかってる気なんて、そんなん所詮全部憶測だ。
嫌われるのが怖いだなんてこんな感情久々だ。







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