「一回だけ!一回だけしかしねーから!」
「あたりまえだ!いや、あたりまえだと言ったのはそういう意味じゃ……もう、勘弁してくれ!」



つうか部室でおまえはなんて事しようとしてる!おまえが神聖だと感じている(ハズの)場所で、だ!



「キョン見てたらムラってきてさぁ」
「俺は男だ。この変態。離れろ変態変態離れろ。」
「おまえも変態だバーカ。挿れられてよがってんじゃねーかよ。挿れられたいんだろ?」



イケメンがなんで俺のような、言っても中の中みたいな男にかまうんだ。なんでだ。あぁそうだった。思い出した。女にあきたからだっけ。遊びか。
そう思ったらなんだか無償に悲しくなった。おかしいなこれじゃ俺が涼宮のこと好きみたいじゃないか。



「おまえの堅くなってんじゃん」
「……おまえが触るからだろ」
「人のせいにしやがって変態。そのうちキスだけで濡れるんだろうね。あ、今度女抱いてるとこで想像して自慰してくんない?興奮するわ」
「……もう、…やめてくれ、からかうのは」
「は?」
「からかってんだろ、もう嫌だ」
「……はぁ?」



嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!そうだよ!なんで、突然出会って突然変な部活に入れさせたような男に突然突き飛ばされて突然犯されなきゃいけないんだ!!!!!!

そう思うとなんだかなんにも考えられなくなった。頭が真っ白な感じ。てっぺんでなにかがグルグル回ってる感じもする。

涼宮を突き飛ばして机に置いていたカバンをつかんで俺は部室をでた。放課後の廊下に生徒はほとんどいない。部活に入ってる奴はキチンと部活動中だ。




ああ恥ずかしい話股間が苦しい。下駄箱に近いトイレに俺は潜り込んだ。一番奥の個室に入って鍵をかけた。




あれ、俺どうして泣いているんだ。











初めは興味本位さ。
男ってどんなんだろうって。

携帯いじってたらAVサイトにたどり着いて。そうしたら男のがあってね。クリックして詳細をみたんだ。そしたらちょっと俺もやってみたくなって。ただ男をみてヤりたいと思ったりはしないから、なんとなく機会があったらな程度でさ。ま、成り行きの一夜限りってこと。

俺の性欲と好奇心を満たしてくれればいいんだ。












高校では友達はいらなかったから自己紹介で随分とおかしいことをいってみた。気味悪がって声をかけてこない。作戦は成功したみたいだ。まぁ、ヤりたそーな軽い女達は面白がってきたからちゃーんと相手してやったさ。顔がいいと少しおかしくても許されるようだ。


入学して1週間。男の友達はいなかった。別にいい。
そしたらいきなり前の奴が振り向いてきた。



「おまえってあの涼宮?」
「どの」
「良くない噂の」
「あー、多分」



すっげーよこいつ。こんな直球できたの初めてだよ。っていうかなんだこいつ。俺とはぜんぜん系統の違うイケメンじゃないか。



「おまえは?」
「噂なんてないぜ?」
「ちっげーよ、名前。なんてよばれてる」
「不本意だがキョンと呼ばれてるさ」
「へー、キョン…………って、あの!」
「ん?どの」



噂にきいた事がある。硬派な美男子がいるんだが極度の鈍感でいつもけだるそうにしている。硬派というのはどんなに女子が誘っても遊びに行かないからついたらしい。思うけど中学生って端的だよな。そんなんで硬派とかさぁ、ただの童貞なだけなんじゃないか?
俺は凡人には興味なかったから深くは追求しなかったけど。



確か名前が、キョン




「……いや。なんでもない。思い違いだったらしい」
「ふぅん」



彼は薄い唇を閉じた。大きな瞳が眠そうになった。
これだ、と思った。



「な、キョン」
「なんだ」
「俺部活作りたいんだけど、入れ」



すらりと通った鼻についた小鼻がヒクと動いた。



「ヤダね」




こいつだと思った。
こいつで遊ぼう。







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