俺と小僧は境遇が似ているのかも知れない。レールの敷かれた人生。仮の名前と本当の名前。大切な人を目の前で失ったこと。だが、正確には、俺はプトレマイオスの最期を知らない。まぁ、小僧もその状況を見ていたわけではない。小僧と俺の腐れ縁は、小僧が生まれた瞬間から始まっていたのかもしれない。運命、という言葉は俺の長い人生にあまり使いたくはないが、きっとこれは、運命、というやつなのだろう。鏡合わせの俺とナサニエル。鏡の中に居るのは、俺か、ナサニエルか。背中合わせに手を繋ぎ、ガラス越しに唇を重ねるような、近いようで遠い存在。だからこそ、愛してしまう。足りないものを二人で補い合って、いつの間にか、互いに居なくてはならない存在になっていた。それを依存と呼ぶだろう。歪んでいるのかも知れない。だが、そんなことは俺たちにはどうでも良かった。運命によって、引き寄せられた二人は、もう離れることは出来ないのだから。




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