※ナサとプトレへ















大切な人を失っても、話し相手すら居ない俺はふらふらと異世界を漂っていた。ここでなら、どんな姿で居ても苦痛ではない。それにも関わらず、痛みを感じる。苦しくてたまらない。
何度となく、自分がもっと強い妖霊だったら、と考えたが、結局、逆に自分がレベル4のジンだったから、彼らに出会えたのだ、というところに落ち着いてしまう。きっと彼らは俺が悩んでいることを喜ばないだろう。しかし、俺は笑い方を、忘れてしまったような気がする。表情だけでなら笑えるだろう。こんな俺をどう思うだろうか。

笑い方が思い出せない
(出来ることなら、君のために笑いたい)


君がいない5題/Chien11



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