※バーティ独白











俺は永遠に誰かのマリオネットである運命なのだ。その運命から抜け出すことは不可能。だからこそ、糸が切れることを永遠に望み、少しの隙さえあればその糸を切りにかかろうとする。それが、俺だけでなく、全妖霊の運命である。それにもかかわらず、俺は一度だけでなく、二度もその糸が切れることを怖れてしまった。俺を繋ぎ止める糸が切れてしまったら…と、俺はどうしてもその糸を無理にでも手繰り寄せようとした。しかし、当然その糸は戻るはずもなく、俺を繋いでいた糸は呆気なく切れていった。俺を繋ぎ止めていたものは、とても儚いものだったのだ。俺が、俺だけが大切に想うだけでは足りなかったのだ。糸が切れ、その残骸も消えた後、糸の切れたマリオネットは、再び糸に繋がれ、操られる時をなす術もなく、ひたすら待ち続けることしか出来なかった。


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