※バーティひたすら独白
※プトレとナサに向けて
※設定は3巻後









大切な人を二人も失った俺は、離れることが辛く苦しいものだということは知っている。それでも、俺は時が過ぎて次に召喚されるのを待つことしか出来ない。本当は、プトレマイオスと共に、もしくは、ナサニエルと共に、消えてもよかった。しかし、俺は二人に生かしてもらった。守ってもらったのだ。
未だに、あの時に戻れるなら、俺が変わってやりたかったと思うときもある。心臓があったなら、潰れてしまいそうなほど苦しいときもある。涙が流れたのなら、枯れるほど泣いてしまいたいときもある。伝えたかったこともたくさんある。もし今、ただ一つだけ伝えられるとしたら、聴こえているかはわからないが、俺はここに居る、と伝えたい。それだけを、伝えたい。
いつかまた巡り巡って、二人に会えたのなら、俺は笑って二人に会ってやる。そのときまで、どうか二人には幸せであってほしい。異世界の揺らぐ不安定な空気の中で俺は、ゆっくりと漂った。
俺は、今、ここに居る。




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