※むしろ、プトバっぽい
※プトレがちょっと嫌なヤツになってる





プトレマイオスは人気がある。それは当然のことだ。でも、プトレマイオスは俺を好きと言って、従者と主以上の関係だった。それなのに、昨日見てしまった。廊下でどこかのご令嬢に告白されている場面を。別に、告白されているくらいなら、どうってことは無かった。誰かを想う心は不可抗力だから。ただ、その答えに愕然としてしまった。付き合ってもいいよ、とにっこり笑って言っていた。その後に何か続いたような気もしたが、そのときの俺には何も聞こえていなかった。俺は窓に腰掛けて、空を見上げた。

「あぁ、バーティミアス」

こんなとこに居たんだ、と悩みの種は俺に微笑みかけた。

「プトレマイオス…。彼女はどうしたんだ?」
「彼女?…あぁ、昨日の、ね。聞いちゃったんだ。あの返事だからね。当然の結果だよ」

あぁ、そうだよな。俺は窓の横枠に寄り掛かる。

「じゃあ、俺に構わず一緒に居ればいいだろう」
「え?だって、僕は君と居たいから戻って来たんだよ?」
「そんな優しさなら、いらないっ。さっさと彼女と幸せなればいいだろう」

俺の言葉に、プトレマイオスは一瞬だけぽかんとしてから、すぐに腹を抱えて笑い始めた。俺は眉間にシワを寄せる。

「もしかして、最初しか聞いてなかったんでしょ」
「え?」

俺が言うと、プトレマイオスが昨日の説明をしてくれた。昨日の返事は、付き合ってもいいよ。君が僕の一番になれたらね、だったらしい。俺は最初しか聞いてなかったのだ。それで一人で、どうしようもなく悩んでいたのだ。

「もちろん、彼女は一番になってやる宣言して去っていったけどね。…でも、彼女には絶対になれないだろうね、僕の一番には」

そう言いながら、プトレマイオスは俺の手を握り締める。

「僕の一番は、君なんだからね」

にっこりと効果音が付きそうなくらい、鮮やかにプトレマイオスは笑った。


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