※ナサニエル独白





目を瞑ったところで、見たくないものが消えるわけではない。現実逃避をしたところで、現実が無くなるわけではない。乗り越えなければ、それは消えない。だが、乗り越えられない壁もある。
身分差があっても愛があれば関係ない、と言ったのは、一体どこの誰だ。愛は十分にある。それこそあまるほどに。でも、自分と彼ではあまりに違いが大きすぎる。愛しているからこそ、離れなくてはならない。そういう場合もあるのだ。

「それでも、僕はお前を愛し続ける」

虚空に呟いたナサニエルは、ゆっくりと目を瞑った。




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