「お前の七つの視界に映るのは僕だけでいい」
ナサニエルは、バーティミアスを見つめて言う。ただの独占欲で発した一言。ナサニエルはバーティミアスの褐色の頬に触れて、すぐに手を離した。
「…嘘だ。そんなこと、しなくていい」
引っ込めようとした白い腕を、バーティミアスに掴まれる。
「それは、お前の本気か?ナサニエル」
「そうだと、言ったら?」
ナサニエルの挑発的な言葉の次の瞬間には、視界いっぱいにバーティミアスが映る。そっと口付けられて、すぐに離された。でも、視界いっぱいにバーティミアスが映ったまま。本当は、このままで居たい。本当に、バーティミアスが自分以外見なければいいのに。
「お前の視界全て、俺しか映らないようにしてやる」
そう言ったバーティミアスは、ナサニエルの両方の瞼に口付ける。ゆっくり瞼を上げると、再び視界にはバーティミアスだけが映った。