顔を合わせれば、口喧嘩からの拳を突き合わせる。よく飽きないわね、なんてルーシィに言われたこともあるが、勝つまではやめるつもりはない。だが、負けたわけじゃない。いつも引き分けで終わるだけだ。まったく、なんだってあいつは、いつも暑苦しくて、つり目で……上げ出したらきりがない。それでも、実は楽しいとも思っている。こんなに本気でやりあえるのはナツしかいない。それに、これが無くなったら、ギルド中のみんながおかしいと思うだろう。別に、おかしいと思われるから、続いてるわけじゃない。それがただ、俺たちの日常だからだ。何年も続いてきたこの喧嘩が、二人を繋いでるものなのかもしれない。それは、少しナツを意識し始めてからも変わらない。この気持ちにだけは、素直になれない。だから、とりあえず、今日もナツの顔面目掛けて、拳を突き出す。

「何すんだよ、グレイ!」
「てめぇが、間抜けな面してっからだろ、ナツ」

ナツからも拳をお見舞いされる。これがいつも通りだ。魔法を使う寸前まで、勝負をする。意識しようがなんだろうが、これが毎日。負けるつもりは、ない。


口喧嘩は日常茶飯事で
意地っ張りな恋/瑠璃


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