誰かが居なくなることが怖い。遠くなって、触れられなくなることが怖い。寿命が遠い俺は、永遠の別れを何度も別れを見てきた。だいたいは自分絡みではないが、一度だけ、自分が妖霊であることを呪うほどに、別れを惜しんだことがある。

「プトレマイオス…」

俺の声は虚空へと消えていった。俺の心はあの頃のままで止まっている。いつまで経っても、心はプトレマイオスを求める。主を失ったままの時計は、もう動かない。




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