石田三成を守る会(西軍×三成)


 ※愛され三成で、家康の扱いが悪いです。






 西軍の総大将、石田三成。彼女は少々思慮に欠け融通の利かない性格であったが、あの危なっかさと儚さで、妙に他人の庇護欲をそそる人物であった。



 今宵も、そんな三成を如何にして東軍から守るかと、(本人に内緒で)会議が開かれていた。
「大体家康の奴はよぉ、武器を持たねぇって言いながら、結局は戦を起こしてる訳だろう?拳で襲いかかって来てんだから立派に武力行使してるよな。」
 どっかとあぐらをかいて座り込み、かつての旧友に対し不快感を露わにする元親。
「先日、三成が体を痣だらけにして帰って来たときには肝が冷えたわ。これからは、外出の際は誰ぞ必ず奴について行かねばな。」
 吉継は、先ほど無理やり寝かし就かせた親友を思い出し、小さく溜め息を吐いた。その横で姿勢良く正座している元就が、表情を崩すことなく言う。
「拳のみでは致命的な一撃は与えられぬ。徳川の戦い方は、相手を嬲り殺すも同然だな。」
「あんな細身に奴の拳は重過ぎる。ありゃあ見ていて忍びないね。一度、どうにか穏便に済まないかと家康に和議を持ち掛けたことがあるんだが……。」
 繋がれた鎖をじゃらりと鳴らしながら官兵衛も口を開く。相変わらず手枷と重りを付けることを余儀無くされているが、彼もまた、何だかんだで三成を邪険にはできないようだった。
「ほぅ、暗にしては気の利いたことをしたものだな。…して、あやつは何と?」
 家康に和議などと初耳だった吉継は、官兵衛に先を促した(いつもは官兵衛に厳しい吉継だったが、三成に関することになるとまた話が違って来るらしい)。
「それが、何て言ったと思う?
“三成をワシの嫁にくれるんだったら、こんな戦すぐにでもやめてやるぞ!”だとよ!」
なんですとぉおおう!!?
そのような条件、飲めるはずが無いでござろう!!」
 家康が出したふざけた条件(だが彼は至極真面目にこれ言ったと思われる。家康は、三成を花嫁にと差し出せば本当にこの戦をやめるだろう)を聞いて、幸村が激昂した。
「和平の代わりに三成殿を欲するなどと……!なんと…っ、なんと破廉恥なぁあ…っ!!」
「まぁまぁ旦那、落ち着いて。」
 顔を真っ赤にしながら激怒する幸村。それを佐助が宥めている。
「しっかし徳川どんも、天下より三成どんが欲しいとは、見上げたもんだの!」
 ぶわはははは!と、大声で笑い、義弘は豪快に酒をあおった。
「おいじーさん、笑い事じゃねぇぞ。家康が本気なら、石田がさらわれたりしないようこっちも警戒しねぇといけねぇだろうよ。」
「ああ、警護の強化は小生も賛成だ。」
「それくらい、捨て駒共にやらせれば良い。総大将の護衛とあらば、何人割こうとも構わぬわ。」
「そう言えば、最近三成が下穿きやさらし、手拭いなどの私物が時々無くなっていると零していたが……。これも徳川の仕業と思って間違い無さそうだな……。」
「破廉恥っ!!変態でござるっ!!!」
 皆、一様に家康に対する警戒心を強め、また、「あいつ気持ち悪ぃなぁ…」と心の底から思ったのだった。




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