とびきり素敵な女の子C
※ぬるいですが致してるシーンがあるのでR-18とさせて頂きます。閲覧は自己責任でお願い致します。
ーパサ、パサ。
リボンに続いて、白いカーディガンが床に落ちる。
幸村は三成の言葉の意味が分からずに呆けているだけであったが、彼女の手がシャツに掛かったところで我に返った。そして気付いた。
天使が、自分の願いを叶えようとしていることに。
「お、おやめ下され!」
三成殿は、哀れで愚かな俺に情けをかけているのだ。でもそれは、俺の本意では無い。
「同情でそんなこと…っ!」
「同情などでは無い!!」
止めようとする幸村の手を払いのけると、三成は彼を睨み付けた。
「私の話を聞いていなかったのか!?どんな形であったとて、共に在れれば構わないと!私達の関係が、『友人』で無くなるだけだ!
…私だって、貴様と繋がることができたら……どんなに幸せだろうかと、思う……。」
最後の方はボソボソと喋っていて聞き取り辛かったが、俯いて顔を真っ赤にする三成の姿に幸村は胸がいっぱいになった。
「馬鹿が!こんなこと、言わせるな!!」
そしてしおらしいかと思えば、この怒鳴り声である。いつも通りの彼女のやや理不尽な怒りが愛しくて愛しくて、思わず幸村は三成を強く抱き締めた。
泣くなと言われたばかりだったが、幸村の涙は止まらない。
「私の全部を貴様にやる。だからもう、思い悩むな。」
最高の殺し文句であった。
初めてのキスは、しょっぱい味がした。カーテンの隙間から射し込む西陽がまぶしかった。
三成の体は、思い描いていたよりもずっと華奢だった。腰などは掴めてしまいそうなほど細い。透明感のある白い肌はすべすべで、下着の跡が少しだけ付いていた。シミ一つ無い美しい背中には、当然だが羽は生えていなかった。浮き出た肩甲骨がそれの名残りかと幸村は勝手に解釈しておいた。小振りの双丘は今までに触れてきた何よりも柔らかく、ちょっぴりでも力を入れると手の平の中で形を変えた。太ももの内側や脇腹を軽く撫でるだけで身悶える様は、何と可憐であろうか。
そして、頭髪と同じ銀色をした下生えの下。自分が知らない女性の陰部。その果実は、既に少しだけ蜜を蓄えているようだった。
(これが、全部…俺のもの……。)
幸村は、ごくりと唾を飲み込んだ。
「あ、あまりじろじろ見るな…っ!」
「すみませぬ。でも、某は三成殿の全てが見たい。」
「ならば、貴様も見せろ!」
「うわっ!?」
負けず嫌いな少女は、幸村のスウェットのズボンとボクサータイプのパンツを一気に下ろした。
「!!」
涎を垂らしているようなそれを見て、三成は絶句した。想像していたよりずっとグロテスクで大きくて、こんな凶悪なものは幸村の可愛い顔には似合わないと思った。「こんなの入らない」と言いそうになったけれど、これを否定することは幸村を否定することだ。三成は恐る恐る手を伸ばして猛る陰茎にキスをした。
「う…っ!」
あの美しい天使が自分の醜い欲望の固まりに触れているなんてまるで夢のようで、幸村は頭がクラクラした。頬を赤く染めた三成が口と手で幸村の恥部を慈しんでいるのは目の前で起こっている事実であった。彼女の愛撫は拙いものだったが、幸村のそれはどんどん膨らんでいく。その都度息を飲むのが分かったが、三成は離れたりしなかった。
「み、つな、殿…っ、離…して…!」
出る。
そう思って幸村は三成を離そうと銀色の髪を掴んだが、彼女に乱暴な真似はできなかった。勢いよく放たれた白濁は、三成の手や口を汚し、喉元や胸元にまで垂れた。
むせて涙目になっている三成を気遣う余裕も無く、幸村はその柔く華奢な体をベッドに押し倒した。密着した彼女からはシャンプーの香りに混ざって汗の匂いがして、その人間らしい香りに劣情が煽られて夢中でキスをした。上手な口付けのし方など知らないから、ぶつけるように唇を押し付けて無理やり舌をねじ込んだ。自分の精液の変な味がしたがそんなことは幸村には最早どうでもいいことだった。
目の前の少女のこと以外、もう何も考えられない。
割り開いた三成の果実はもう完全に熟れていて、蜜が滴っていた。その潤いに誘われ食い付くかのように、幸村は己の剛直を突き入れた。
「三成殿、好き…、好きだっ!」
幸村は愛しい人の名前を呼び続け、好きだと言い続けた。まるでそれしか知らないみたいに。三成にはそれに応える余裕など無くて、喘ぎ声と言うより悲鳴に近い声を上げている。苦痛を伴っていないわけが無いのに、嫌だとか痛いとかダメだとかそういった否定的な言葉を一切言わず、腰をめちゃくちゃに動かす幸村にしがみついていた。その健気さに愛おしさが募る。
彼女の中は芯から溶かされてしまいそうなほど熱くて、そのまま焼き付いて一つになれたらいいのに、と幸村は馬鹿なことを考えた。それが口に出ていたらしく、三成は眉をハの字にし、涙を溜め潤んだ瞳で頷いた。
セックスのやり方なんて、幸村も三成もろくに知らない。だけど、愛し合う相手とどうしたいかなんてことは体が知っていた。お互いの汗や体液でどろどろになった体で抱き合い酸欠になりそうなキスを何度も繰り返して、二人は上り詰めていった。
ダージリンティーは完全に冷めてチーズスフレも固くなってしまっていたが、二人がそれに気付くはずも無い。
幸村は飽きもせずに、隣で眠る三成をずうっと眺めていた。赤く腫れた目元が痛々しくて、彼女を起こさないようそっと口付けを落とした。
(俺の心も、体も……きっとこの方のためだけにあるんだ…。)
その気持ちは幸村の中にストンと落ち、さっと馴染んだ。
悲しかったことも、悩んだことも、自分のことさえ分からなくなり苦しかったことも。きっと、三成と出会い共に過ごし、この恋を知るために必要なことだったんだ。
「愛しております。」
聞こえていないと分かっていても、言わずにはいられなかった。
翌日から、幸村は学校で指定されているネイビーのジャージを着用して登校を始めた。まだ制服のズボンには抵抗があったが、女子用の制服ももう着たいとは思わなかった。
「スカートは、もういいの?」
そう問う兄の瞳はとても優しく、満足そうであった。
「ええ。とびきり素敵な女の子が、某のものになりましたので!」
輝くような笑顔を浮かべて、幸村は玄関を飛び出した。門の外では、そのとびっきりのガールフレンドが待っている。
ー終ー
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