honey×1B
「でもほら、三人でってお嬢に負担が掛かるでしょ?最初は順番でいいんじゃない?」
「三成殿が苦しいのは嫌でござるよ。某達、ケンカはしませぬから是非順番で…。」
お互い初めてであるのにマニアックプレイを強いるのも良心が咎めて、佐助と幸村は交代で良いと提案した。しかし、何が気に入らないのか三成は難しい顔をしたままだ。
「順番でなど無理だ。私は貴様らに順番は付けられない。三人一緒には、不可能なのか……?」
ーずぎゅん!
「三成殿っ!!」
「お嬢ぅ〜!!」
三成の上目遣い&発言に揃ってノックアウト寸前になった彼氏二人は、同時に彼女の細い体に抱き付いた。
「是非、皆で一緒に!!」
「うん、三人でしよ!俺様も色々勉強するから!」
「…ああ。」
ぎゅうぎゅうと抱き締めて来る二人の背中に、三成も腕を回した。そして、
「私がまとめて可愛がってやる。」
とにたりと笑ったのであった。その妖しげな笑みは、佐助にも幸村にも見えなかったのだが。
…女生徒達からもらった漫画の登場人物達と、三成達三人との間で大きく異なる点は、『主導権が女性にある』というところだった。
ー「間も無く、最終下校の時刻です。まだ校内にいる生徒は、速やかに下校して下さい。」
ちょっといい雰囲気になって三人がいちゃいちゃしていると、最終下校の時間を知らせる放送が入った。
「やべ、早く出ないと西門閉まっちゃうよ!」
「三成殿、最後にちゅうを…。」
「仕方の無い奴め。」
「あ!唇ずるいんだけど!!お嬢、俺様にもちゅーして!」
彼らの関係がいつまで続くかと面白半分で三人を見守る生徒も多く、『いつ別れる』とか『案外卒業まで持つ』とか『そのうちどちらかが振られる』とか賭けを始める者も少なくは無かったのであった。
だが、
「一妻多夫が認められてるのはネパールとか、ナイジェリアとか、ブータンとかだってさ。」
「ふむ…。少々日本から遠いが、致し方無いな。」
「今から幾許かでも貯金をしておかねばなりませぬなぁ…。円高はいつまで続きましょうか…。」
三成達は本気も本気。三人で結婚できる国へと将来移住する計画を、真剣に立てていたのだった。
彼らはきっと、末永く仲良く、幸せに暮らすであろう。この結果を予想することができる者など、恐らくおるまい。
darling×2 = it is very sweet!
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