She is fox!(幸三・現パロ)


※学パロで、ちんちくりん(?)幸村×モデル体型三成(身長捏造)。二人とも高校二年生です。






「はぁ〜…石田さん背ぇ高くていいな〜…。」
「あの子178センチあるって聞いたんだけど!」
「マジ!?富永愛と一緒じゃん!!」

授業の合間の休み時間、教室内の隅で仲良しメンバーである数人の女子がガールズトークを繰り広げていた。彼女らの視線の先にいるのは、日直であるために黒板消しを掃除している石田三成だった。
グレーのプリーツスカートから伸びる脚線美は眩しく、少しだぼっとした白いセーターの上からでもウエストが細いのは分かったし、胸の方は控えめだったがそのお陰でシルエットのバランスが取れて、より美しく見えた。真冬の月光のように輝く銀髪と、透き通るように白い肌。黄色と緑色の中間のような色をした瞳は、意志が強そうな光を宿していた。正しくモデルのような容姿をした三成は、女子達の羨望の的であった。しかし、見た目は良くても彼女は少々気難しく取っつきにくいために、女子も男子もただ憧れるだけで積極的に三成と交流しようという者はなかなかいないのであった。

「そう言えば、知ってる?石田さんって隣のクラスの真田君と付き合ってるんだって。」
「あ、知ってるー!一年の頃から付き合ってるとか。結構仲良くしてたもんね。」
「えぇ〜!?あたし知らなかったんだけど!真田君ってアレでしょ?茶髪で長い髪結んで尻尾作ってる人だよね?」

少女達の話題は、三成本人から彼女の恋人へとシフトした。三成のことを『取っつきにくい』、と先ほど評したが、彼女は根は素直な人物で、一度心を開いた相手には無防備になり、不器用な優しさを見せたりもする。…そこまでに辿り着くのが非っ常に大変なのであるが、そこに行き着き、見事『彼氏』の座をゲットしたのが真田幸村であった。

「そうそう、その人〜。でも意外だよねー。石田さんならもっとイケメン捕まえられると思ったのに。」
「そーかな?真田君そんなにダメでも無くない?カッコいい、よりは可愛い系の顔だけど。」
「いや〜、顔は良いけど身長だよ〜。」
「ああ……。石田さんと並んだら完全にアウトだ…。」

一人の女子は、あからさまに肩をすくめた。
幸村の身長は168cm。日本人の成人男性の平均身長は大体170cm程度なのでそこまで背が低いわけでは無いのだが、三成とはちょうど10cmの差となってしまう。確かに、並んだらあまり格好が付かないというのは言えていることかも知れなかった。

「それはそーと、次の科目何だっけ?」
「古典だよ〜。」
「あ〜めんどくせ〜。私今日当たるかもー…。」

彼女らはぱっと話題を変えて、授業開始のチャイムが鳴ると各々の席へと戻って行った。



昼休みを知らせるチャイムが鳴ってすぐのこと。教室の引き戸を勢い良く開ける音と共に、幸村が現れた。

「三成殿ー!!」

彼は余所のクラスだろうと遠慮無しに足を踏み入れ、迷い無く三成の席までやって来た。恐らくは昼食のおにぎりかパンが入っているのであろうコンビニの袋を片手に、お昼でござる、ご飯でござると子どものように騒いでいる。三成は目の前のそれを無視して、日誌に午前中のクラスの様子を書き込んでいた。

「三成殿、参りましょうぞ!」

三成が筆記用具と日誌を片付けたのを確認すると、幸村は彼女の手を引っ張って教室から出て行った。

「ラブラブじゃん!」

先ほど三成達の話をしていた女子生徒の一人が、彼らを見てそうこぼした。





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