めろめろな生活(幸三)


 ※身も心もできている幸三。キャラ崩壊気味のギャグ(?)です。貧乳を気にする三成。ちょっとだけ下品かも知れません。






 大坂城の中庭には、槍を振り回し見えない敵を斬り刻んでいる幸村と、時々鍛練の相手をしながらそれを見守っている佐助がいた。
 たまたま近くを通り掛かった三成の耳に、金属製の刃がぶつかり合う高い音と共に、二人の会話が聞こえてきた。

 「やはり、胸は大きい方が良いに決まっている!」
「えぇ〜?俺様はほどほどが良いと思うけどねー。」

 バサッ!
 それを耳にした瞬間、彼女は吉継に届けるはずだった数通の書簡を廊下に落してしまった。床に散らばるそれらのうち一通の宛名が、折り目正しく神経質そうな文字で書かれていた。これは、安芸の大名毛利元就からだろうか。
「あ、お嬢〜。」
「三成殿!」
 物音にいち早く気付いた佐助が三成を振り返った。幸村も愛しい恋人の存在に気が付くと、笑顔を浮かべて嬉しそうに名前を呼んだ。しかし彼女は幸村達に一瞥もくれず、落とした書簡を拾い上げると足早にその場を去って行ってしまったのだった。
「あっれ?急いでんのかね?」
 大好きな三成殿に無視をされて、幸村はしょんぼりとうなだれた。

 その頃、吉継の部屋で三成は真っ赤な顔をして吠えていた。
「どういうことだ刑部!あの男、私を好いていると言っておきながら!私を何度も抱いておきながら!!今更胸の大きな女が好きだと!?確かに奴は閨で胸ばかりを愛撫してきたが、それが『物足りない』の意思表示だったとはな!!」
「落ち着け三成よ。…われはぬしらの性生活に興味は無いゆえ。」
 吉継は目を閉じて、深い溜め息を吐いた。

 「話は聞いたぞ三成ぃっ!!!」
 がったんっ!!
 ―とくがわいえやすがあらわれた!(畳の下から)
「「ぎゃーっ!?」」
「話は聞いたぞ三成!」
「「どこから現れた!!帰れ!!!」」
 見事にハモった吉継&三成の帰宅勧告にも動じる様子はなく、家康は腕を組んでニカッと眩しいまでに笑って見せた。
「真田は巨乳好きなんだそうだな!あんな奴はやめて、ワシと付き合わないか!?」
「誰が貴様なんかと!斬滅してやるっ!!」
 三成は腰に下げた愛刀に手を掛け、家康に向かって構えた。家康は丸腰だが、そんなことに遠慮して良いような相手ではない。
「ははっ、相変わらず手厳しいな。でもまぁ、そう言うと思った!ワシはそんな正直な三成を愛しているぞ!」
「うるさい野垂れ死ね!」
 家康を睨み付ける三成の後ろで、吉継も静かに数珠を構えて臨戦態勢を整えた。
「おっと、刑部が怖いな。呪い殺される前に、用件に入るとするか。」
「…用件だと?」
 家康は懐をごそごそと探ると、小さな瓶を出した。
「何だこれは。」
 その小瓶には、白く濁った液体が入っていた。それを、胡乱な瞳で見詰める三成。
「これは、乳が膨らむ秘薬だっ!」
「何だと!?」
「これを飲んだら、一発で真田好みの爆乳になれるぞ!」
「……。」
 三成は、とうとう武器を下ろした。だが、はなから家康など信用していない吉継が彼女を制す。
「三成、徳川の言うことなどに耳を貸すな。何とうさん臭い…。」
「そ、そうだ!そんな訳の分からん薬、効果があるはずがない!!」
 三成は、言いながら一歩後退った。
「それは、使ってみなければ分からないだろう?」
 一歩前進して、家康は空けられた距離を再び戻した。
「試しに飲んでみたらいい。お代は、一回ヤらせてもらえればそれで十分だ!」
「死ね家康ぅう!!」
「我が生涯をかけた呪いを受けぇええ!!」

 「何事でございますか!?」
 三成達の大声を聞いた幸村が、吉継の部屋へと駆け込んで来た。
「と、徳川殿!?」
「お、渦中の人物の登場か。」
「何故こんなところにおられるか!三成殿に狼藉を働くつもりなら、この場で貴殿を屠る!!」
 家康を鋭く睨み付けると、幸村は二槍を握り直した。その後ろでは佐助も暗器を構えている。
「今日はよく武器を向けられる日だなぁ。ワシは喧嘩をしに来た訳じゃないぞ。」
「じゃあ何だよ?お嬢に痴漢行為でもしに来たって言うのかい?」
 招かれざる客に、佐助は棘のある口調で問い掛けた。その間に三成は、幸村・佐助の背後へと避難した。
「ああ、近からず遠からずだな!」
「否定して欲しかったねぇ。」
 佐助は目にも止まらぬ速さで一気に間合いを詰め、家康の喉元に刃を突き付けた。こうまでされてなお表情一つ変えない家康も、かなりの大物である。

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