独眼竜の受難?(幸三)


 ※こちらは、「わんわん!」の続編となっております。多少お下品な表現があるので苦手な方はご注意下さい。初心な幸三はいません。






 大坂から離れた北の地、奥州。その地を統べる伊達家の当主、政宗はとある妙な噂を耳にした。

 「『武田の若き虎が大坂城にて凶王に懐柔され、二人は昼夜を問わず日々淫行に耽っている』……か。Ha!Good-for-nothing!」
「どう考えてもデマでしょうな。」
 政宗は私室でくつろぎながら、傍らに侍らせた小十郎と例の噂話について話していた。
「俺もそう思う。だが、火の無いところに煙は立たず、とは言うしな。何か真田と石田がおかしなことになってんのは事実かも知れねぇ。」
 煙管を指先でくるりと回して、政宗はにぃっと笑った。その表情を見て、姿勢良く正座をしていた小十郎が苦笑いを浮かべる。
「…その目で確かめに行く、と申されるか。」
「Of course!流石だ小十郎。分かってんじゃねぇか。もし噂通り奴らが腑抜けてやがるってんなら…まとめて潰してやるのも悪くねぇだろ?」



 その頃、大坂城では。

「「っくしゅん!」」

 幸村と三成が同時にくしゃみをしていた。
「どうした、二人揃って風邪か。」
「やだねぇ〜。大将はともかく、お嬢は気を付けてよね。」
「俺はともかくとはどういうことだ佐助!」
 そして、政宗達に「腑抜けている」と言われても仕方がないような、ゆる〜い空気が流れていたのだった。



 「真田、動くなよ。じっとしていろ。」
「は、はい…。あ、あぁ…気持ち良うございます三成殿……。」
「こら、私が良いと言うまで動くな!」
「すみませぬ、つ、つい…。」
「貴様のはこんなに大きい…。最早感心してしまうほどだな。」
「あんまり見ないで下され!」

 ((…ほ、本当に明るいうちから淫行に耽っていやがる!!))

 門番を殴り倒し、家人達の目を盗んで大坂城に入り込んだ政宗と小十郎(途中、佐助に見付かったのだが「アンタ達わざわざ大将達に会いに来たの?止めはしないけどねぇ……。俺様、何を見たって知らねぇから。」と言われただけで咎められたり追い返されたりはしなかった)。二人は三成の部屋の前に着くと、漏れて来る会話に耳を疑ってしまった。
(Unbelievable!)
(……あの噂が真実だったとは…。)
 政宗も小十郎も襖に耳をくっつけて、室内から聞こえる声を聞き逃さんとしている。傍から見たら随分と怪しいし滑稽な二人組だが、幸いにもこの様を見ている人間はいなかった。
「こんなに溜めるとは、無様な上に汚らわしい。一人で処理ができないのならもっと早くに私に声を掛けろ。」
「お恥ずかしい…。…ああぁ、三成殿ぉ……。」
「そうだ、そのまま私に全てを委ねろ。貴様は転がっているだけでいい。」

 (女に喰われてるとは情けねぇ!!)
「真田幸村ぁ、何してやがる!!!」
 バターン!
 ちょっと違った意味で我慢ができなくなり、政宗は襖を蹴破るように部屋に押し入った。だがそこには、想像をしていたような淫猥な光景は広がっていなかった。



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