拝啓 武田信玄公(佐+幸三)


 ※佐助の、お館様宛てのお手紙です。
佐助の呼称…武田信玄→大将、真田幸村→(真田の)旦那、石田三成→(石田の)お嬢







 拝啓
 武田信玄公


 大将、体のお加減は如何ですか?真田の旦那をはじめ、武田軍の全兵士が大将の御身の心配をして、また一日も早い回復を祈っています。


 さてこちらの近況ですが、先日豊臣軍…いや、もう石田軍って呼んだ方がいいのかな?と同盟を結んだとお伝えしましたが、そこから面白いことになって来ました。

 とうとう、旦那にも春が来たようなんです!!
 お相手は何と!あの石田三成!!二人の馴れ初めもお話したいところなんですが、かなり長くなるので割愛させて頂きます。今度、旦那の口から話をさせるのでお楽しみに〜☆
 石田のお嬢は綺麗で冷たくて女王様気質です。だから、そういった趣味のある一部の野郎達には大人気。ちょっとした高嶺の花状態かも知れません。思えば、旦那にも「殴られるのが好き」みたいな傾向が若干見られますよね……(俺様的に、その嗜好は大将の育て方で芽生えたものだと思うんだけど…)。一見気難しそうな彼女ですが真っ直ぐな性格で信頼に足る人物だし、何だかんだで心根は優しかったりします。まぁ、「殺してやる」とか「首を刎ねる」とか「斬滅する」とかすぐに殺人予告をするところはちょっと頂けないかと思うけど……。

 そんなお嬢にこの間、旦那が藤の花を模した簪を贈ってました。女なんてとうに捨ててる人だから、勿論殴られてましたけど。あ、素手でね。小早川って言う鍋被ってる変な武将は、以前刀でガッツンガッツン殴られてました。そう考えると、旦那は愛されてるのかも知れないです(……お嬢の拳がめり込む瞬間、旦那が嬉しそうにしていたのが気のせいであって欲しいと願っています)。でもお嬢、簪自体は受け取ってくれたんですよ。そのときの旦那、すっごく嬉しそうだったなぁ。
 それで、この話はここで終わりではなくて。その翌日、お嬢が旦那に赤い牡丹の飾りが付いた簪を渡してたんです。「貴様がそれを付けるなら、私も昨日寄越して来たあの簪を付けてやろう。」って。旦那は二つ返事ですぐにそれを頭にくっつけて……お嬢は驚きながらも、嘘が大っ嫌いな人だからきちんと藤の簪を付けてあげてました。何か微笑ましい二人でしょー!?そのまま一緒に茶屋に行ったりしてさぁ、俺様萌えちゃった!ほっぺを桃色に染めて照れてたお嬢は、とっても可愛かったです。最近はこの二人を遠巻きに見守ることが、ちょっとした趣味になりつつあります☆


 是非大将にも石田のお嬢を会わせたいので、早く元気になって下さい。またお手紙書きますね。


         敬具
       猿飛佐助





 「お嬢、その簪良く似合ってるよ♪」
「うるさい、真田の忍!」
「もういい加減俺様の名前覚えてよね〜。猿飛佐助だってば。」
「……さる。」
「省略は禁止です。」
「む、こら佐助!俺がおらぬ間に三成殿と何を話していたのだ!?」
「お、真田の旦那。べっつに〜?ねーお嬢!」


 こんな楽しい空気が、大将にも伝わればいいんだけどな!




    おしまい☆



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