真似すんな!(アイドルヲタな家三)


 ※以前上げた、アイドルマニアな家三と同じ設定です。三成は松潤担当(笑)。






 点けっ放しになっていたテレビから、ふと(自分の彼女のお陰で)聞き慣れた声が聞こえて視線をやると、
「お、3DS!」
 来月発売の、メガネ無しで飛び出して見えるとか言う超ハイテクな携帯ゲーム機のCMがやっていた。ちょっと目に悪そうだけど、やっぱり欲しいなぁ。……あ、いやいや。今ワシが気にしてるのはゲーム機本体ではなく、それをいじっている芸能人の方だ。
「えーと、これはニノだな!確かゲームが大好きだとか聞いたぞ。」
 間違えたら三成に殺される。冗談では無く、普通に。

 それから続いて、またもや3DSのCMが流れた。今度出て来たのは……松本潤!三成が大好きな松潤だ!!ワシは密かにこいつをライバル視しているのだが、彼女と親しい孫市曰く「勝ち目は無いぞ、無謀だ」、らしい。しかし、画面に映る奴に何か違和感を感じた。髪型が以前と随分違うのだ。松潤と言えば少し長めの髪をイメージするが、多少カットしたのか全体的に短くなって、おでこを全開にして髪を逆立てたようなヘアスタイルをしていた。前髪もトサカみたいに立ってる。…それが存外格好いい。
「くそ、イイ男は何しても似合うんだな…。」
 小さく舌打ちした。…ん?でもなんか、この髪型見覚えが……。


 全体的に短めの髪におでこが全開、トサカみたいに逆立ってる。


 ワシと同じじゃね?

 ここで喜ぶのもおかしいかも知れないが、ワシはなんだか嬉しくなった。意図せずして三成の大好きなアイドルと髪型が一緒なのだ。明日は気合い入れて髪をセットして行こうと、ワシはルンルン♪で就寝した。





 翌日、気分良く登校すると向こうから何やら点が迫って来る。いや、点じゃねぇ、人だ。誰かが物凄い勢いでこっちに走って来ている。
「いぃえぇやぁあすぅううう!!!」
「三成!?」
 信じられない速度で迫って来ていたのは、愛しの恋人であった。しかし彼女の恐ろしい剣幕に、ワシは思わず後退って逃走を図った。だが逃げ切れる訳も無くあえなく捕まってしまう。ワシは校門の前で仰向けに転がされて、腹を三成に踏み付けられた。パンツ丸見えだぞ三成。今日は白か……じゃなくて!公開でこんなプレイはちょっと……でもなくて!!
「いきなりどうしたんだ三成!」
「どうもこうも無い!貴様、家康の分際で松潤の髪型を模倣などして!」
 そう声を張り上げる三成の手には電動のバリカンが握られていた。…えぇ!?ちょっと待ってくれ!!
「別にワシは真似なんかしてないぞ!前からこうだったじゃないか!!」
「言い訳するとは見苦しいな…。頭を垂れろ!許しを望んで希え!!」
「松潤に!!?」






 ……そうしてワシの髪の毛は、三成の手によって見事に斬滅されたのだった(三成に馬乗りにされて髪を刈られる、それがちょっと快感だったなんて、口が裂けても言えないが)。




  ―おしまい☆―



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