勉強会なんてもんは捗らない(西軍×三成・学パロ)


※毎度お馴染み(?)高校生パロ。吉継は車椅子です。やっぱり家康の扱いはひどい。






期末テストを五日後に控え、慌てる者、特別普段と変わらない者、張り切っている者と生徒達の様子は様々だ。

中でも、幸村の気合いの入れようは凄まじかった。

「この試験さえ乗り切れば、楽しい夏休みが待っておりますゆえ!」
「真田ぁ、張り切り過ぎじゃねぇ?そんなに自信あんのかよ〜…。」

力み過ぎて参考書を破らんばかりの幸村とは対照的に、元親の表情は暗い。

「真田は、意外にも毎回平均点は必ず取りやるからな。」
「意外に、とはひどいでござる大谷殿!」
「俺暗記系苦手なんだよなー…。」
「貴様ら、話してばかりいないで学習に集中しろ。」

喋っていた吉継、幸村、元親を三成が窘めた。三成の横では、元就が我関せずといった様子でプリントの重要な語句に赤いラインを引いている。彼らは今、放課後の教室を利用して勉強会をしている最中なのであった。ちなみにこれの発案者は幸村で、何故か学年が一つ上の佐助まで参加している。

「今回こそもっと良い点を取り、成績上位者の貼り紙に名を連ねて見せる!そしてお館様に褒めて頂くのだぁああ!!」
「喧しい!」

注意されてもなお騒ぎ立てた幸村は、とうとう頭を三成にはたかれた。その、パン!という軽快な音を聞いて佐助が吹き出した。そして笑いながら言った。

「石田の旦那もさ、良い点取ったら保護者の二人に褒めてもらえるんじゃない?」
「秀吉様と、半兵衛様に……?」

佐助の言葉に尊敬して止まぬ二人を思い出し、三成は頬を赤く染めた。

「石田まで何をしている。ふん、思った通り大人数で勉強会など捗る訳も無いわ。」

そう言って元就は、眉間にシワを寄せ露骨に嫌な顔をして赤色のマーカーにキャップをした。

「大体、我は試験の前だからといって特別時間を割いて勉強をする必要など無い。それは大谷も石田も同じであろう?何故こんなものに参加せねばならんのだ。」
「だったら無理に参加しなくたっていいんだぜ?帰りたきゃ帰れよ毛利。」

不機嫌な元就に向かって元親が言う。この二人は、以前からどうにも折り合いが悪いのだった。

「まあまあ、喧嘩しないで下され…。そうだ、某飲み物でも買って参ります。一旦休憩としましょうぞ。」
「売店か。私も行く。ちょうどシャーペンの芯が無くなった。」

幸村と三成が席を立ったところ、バタンと音を立てて教室の扉が開いた。

「三成!!」
「家康!?」
「徳川殿!?」

現れたのは三成のストーカー、家康だった。

「居残りで試験勉強だなんて感心だな!ワシも混ぜてくれないか?」

家康が教室に一歩足を踏み入れるなり、その場にいる全員から睨み付けられた。明らかに歓迎されていない。







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