見守る(現パロ・家三)


 ※大学生くらいの設定です。





 学食で昼食を取っている最中、隣りに座っている三成をこっそりと見てみる。今奴が食べているものは、グリーンサラダのみだった。がっつりAランチと、それの他に焼きそばパンを食べているワシとは大違いだ。まぁ、三成は食べることにあまり感心が無く、食事を抜くことも珍しく無い。なのでランチを共にできていることと、多少でも栄養を摂らせることができたので今日は良かったと思う。
 大して量の無いサラダを、時間をかけてゆっくり、小さな口をもごもごと動かしと咀嚼している三成。野菜を口に運ぶときに、ちらりと見える赤い舌がなまめかしかった(こいつは肌が白いから余計に)。あー…吸い付きてぇなぁ……。


 「何をじろじろ見ている、死ね。」
「まぁたお前は“死ね”って…。あんまり人に言うもんじゃないぞ。」
 不躾なまでに眺めていたのを棚に上げ、ワシは三成の口の悪さを咎めた。
「貴様にしか言わん、安心して死ね。」
 ……返って来た言葉も厳しかったが。

 「いやー三成と食う飯はうまいな〜!」
 これ以上三成の機嫌を損ねる訳にはいかないので、ワシは目の前の食事に集中するふりをして横目にちらちらと三成の様子を窺った。だってワシは三成が大好きなんだ、何時間眺めていたって飽きない。と言うか可能なら一日中だって見詰めていたい!



 三成は今日、ぴたぴたのデニムを穿いていた。こいつの足は、そのへんの女子より細い。なので様になっているのだが、どうもその脚線美がやたらと強調されているように見えて、ワシの心は落ち着かなかった。男女を問わず、無暗に視線を集めて誘惑しているような気がして。勿論三成本人にそんなつもりがこれっぽっちも無いことは分かっているが。いっそカーゴパンツとか穿いたらどうだろうか、ワシみたいに。



 「私は観賞用では無い。不愉快だ。」
 ガタン、と音を立てて三成が席を立つ。こそこそと眺めるつもりが、ついついじっくりと見詰めてしまったようだ。怒らせてしまった…。ワシは急いで残りの飯を流し込み、早足で去って行く三成の後を追った。





 「三成ぃ、悪かったって。もうあんな、じろじろ見ねぇから!」
 つかつかと前を歩き、三成は足を止めてくれる気配が無い。全身から放たれるオーラから、奴が相当怒っているのが手に取るように分かった。だって、何か紫色の障気みたいなのが見える。
「私の何が珍しいのだ、あんなに視線を遣って。」
「珍しいんじゃない、ただ、見ていたいだけなんだ!」
 不機嫌を露わにし、きつい眼差しを向ける三成にワシは本音を吐露することにした。
「ワシはお前が好きだから、ずっと見ていたいんだ。」
「………っ…!」
 目を見開いた三成の頬が桃色に染まった。
「気を悪くしたならすまん、ワシは……。」
「…いえ、やす……。」
「お前のおはようからおやすみまでを見守っていたいだけなんだ!!いや、むしろおやすみ中さえ舐めるように見守りたい!!!」
「死ね下衆が!!!そしてライ○ン株式会社か!




 ……本音を口にし過ぎた模様。殴られて、三成がもう見えない(物理的に距離が離れたことと、流れる涙との両方で)。




頑張れ権現!おしまい☆


- 10 -


[*前] | [次#]
ページ:





人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -