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ちぇんじ!
時刻は夜明け前、清正はふと目を覚ました。まだ起きるにはいささか早過ぎる時間だと、布団の中で身動ぎを一つ。
昨夜は久方振りに三成と褥を共にし、最高だったな……などと反芻してニヤつきながら隣りで眠る恋人を抱き締めようと手を伸ばす。
「…ん?」
そこで感じた違和感。
(俺の手ってこんなに白くて細かったか?)
顔を上げると、浅黒い肌に銀色の髪の毛をした青年が寝息を立てて気持ち良さそうに寝ている。
……いやに見覚えのある男だ。
「俺!!?」
思わず声を上げて布団から飛び起きる。信じられない思いで目の前の男を何度確認してみても、身体的特徴からして自分…加藤清正そのものであった。
「…ん……?」
隣りで慌ただしくされて眠っていた清正(仮)も目を覚ましたらしく、もぞもぞと身動いてから気怠そうに目を擦り、それからゆっくりと口を開いた。
「………何故俺が目の前にいる?」
「三…成……?」
「何だ。」
「し、信じられねぇ!!」
皆さんは既にお分かりだろう。そう、清正と三成は、何の因果か精神が入れ替わってしまったのである。
「清正!これは一体どう言うことだ!!」
「俺だって知りてーよ!目が覚めたらこうだったんだから!」
「貴様、美しい俺を返せ!」
「お前こそイケメンの俺を返せ!」
何やら大層錯乱している様子の二人。彼らが落ち着くまで、少々お待ち頂きたい。
「幸い夜明けまでしばらくある。その間に何か手立てを考えなくては……。」
どうにか落ち着きを取り戻した三成は、この訳の分からない状況を打破する策はないかと未だ混乱の治まり切らぬ頭で考え始めた。
「俺達は、昨日何をした?眠る前の行動に何か原因があったのだろうか…。」
「何ってナニだろ……いてっ!」
三成の姿をした清正が下品なことを言った瞬間、清正の姿をした三成に頭をはたかれた。
「お前の体だぞこれ…。」
「俺の体で下世話なことを言うのは許さん。」
叩かれた頭を擦る三成に、ふん、と鼻を鳴らしてそっぽを向く清正。見た目は恐ろしいまでの違和感である。
清正がひょいと自分の寝間着の袷に手をかけ、胸元を覗き込んだ。
「おぉ〜っ!」
そこには当然、三成の控え目ながらも柔い膨らみが。
「この助平がっ!!」
またしても三成の平手が清正にクリーンヒットする。
「いってぇ!だから、お前の体だろう!?」
「俺の体に妙な真似をするな!」
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