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ねずみ!
明日、清正と夢と魔法の国に行くことになった。分かりやすく言えば、ディ○ニーランドでデート。
安くは無い入場料を払って、何故わざわざ人込みの中へ疲れに行かねばならんのだと俺は一度拒否したのだが、「平日だからそこまで混んで無い」とか「金券ショップで少し安くチケット買っとくから」とか「昼も夜もメシおごるから」とか清正が必死に説得して来るので、まぁ行ってやることにした。
……あいつ、実はディ○ニーが大好きらしい。そういや例のあのネズミのパンツ持ってたな。
「明日は五時起床な。スムーズに入れるように開園一時間前には並びたいから。」
「はぁ!?気合いが入り過ぎだ馬鹿!」
仕事から帰ると、清正が早速明日の予定を立てていた。と言うか貴様、最近ナチュラルにうちに居過ぎだろう(もう文句を言う気も失せたが……)。
「普通だろこれくらい。大丈夫、ちゃんと俺が起こすって。」
…ナチュラルに今日も泊まる気か(もう慣れたけど)。それから奴が、まず何とかの何とかパスを取って何とかに並んで何とかのパレードが何時からだから何処何処付近で場所取りをして……とか色々言っていたが、明日は強制的に早起きをさせられるらしいので全てを聞き流し早々に寝る準備をした。
うちにはベッドが一つしかなく、清正が泊まる際は、基本床に転がして寝かせていた。夏の間はそれで良かったが、寒い季節はそうもいかない。…ので、最近は仕方無く俺の羽毛布団の中へ入れてやっている(変な気を起こしたら容赦無く蹴り出しているが)。どうやら今夜も狭苦しいベッドで寝なくてはならないようだ。
「三成、お休み。」
だが、どデカい暖房器具に抱き締められての就寝は、そんなに嫌いでは無かった。
「ああ…お休み。」
「明日、楽しみだな。」
俺専用の暖房器具は、俺の額にちゅっと音を立ててキスをしてから、すぐに寝息を立て始めた。
「そろそろ起きろ、三成〜!」
「寒いっ!布団を返せ馬鹿正っ!!」
ぬくぬくの布団をはぎ取られ、俺は一気に目が覚めた。
「もっと優しく起こせ!」
「何度も起こしただろ?いいから、早く朝メシ食って支度しろ馬鹿。」
顔を洗って、ナイトウェアのままキッチンに行くと、簡単な朝食が用意してあった。あいつ、四時台に起きて準備を始めたのか…と思うと、正直嬉しい気持ちより「こいつどんだけ気合い入ってんだよ」と複雑な心境になる。そしてもそもそトーストにかじりついていると、俺の部屋から洋服片手に清正がひょっこりと顔を出した。
「今日は黒のダッフルコートと、この赤いスカートはいて行けよ。ここ出しとくからな。」
……レディのクローゼットを漁るな馬鹿!と言いたかったが今更無駄なので、
「何故服装まで貴様に指図されねばならんのだ!」
と反論してやると
「何でって。ミニーちゃんみたいで可愛いだろ?」
当たり前のようにそう言われてしまった。更には、赤色のボトムは…俺は無いよなぁ……とかほざいていらっしゃる。
……何だアレか、二人でミッキー&ミニーとかしたいのかお前。
いやいや、本当やめて下さい。分かりました分かりました。俺、あなたの言う通りその服着て行きますから。頼むからあなたは普通の格好して行って下さいよ、本当勘弁して下さい。
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