年下彼氏A


 「悪いが用事を思い出した。俺は先に失礼する。代金はここに置いておくからな。」
「三成、帰ってしまうのか?」
 兼続が眉をハの字にして俺を見る。二人にそんなつもりが無いのは十二分に分かっているが、お邪魔虫は退散するとしよう。
「ああ、また明日、学校でな。」



 あの二人に当てられたのか、俺もあいつに会いたくなった。幼馴染み兼……一応、彼氏のあいつに。デザートを食いそびれたから、コンビニで何か買って帰ろう。







 「……で、俺が恋しくなって来たと。可愛いとこあるじゃねぇか。」
 俺の土産のプリンを食べながら、清正はにやにやと笑っている(結局俺は、コンビニスウィーツを購入した後、制服のまま清正の家へと直行してしまったのだ)。
「べ、別に、恋しくなった訳では…っ!あまり変なことを言うとプリンを没収するぞ!」
「それは嫌だ。」
 清正は手にしたプリンを一気に食べると、俺を手招きした。素直に従い、清正の隣りに腰を下ろした。俺の髪をくしゃくしゃと撫でる清正。くすぐったくて、俺は思わず肩を竦めた。


 「会いに来てくれて嬉しい。」
「家はすぐそこだろう。」
 清正の大きくて優しい手。口にはしないが大好きだ。
「それでも。学年違うし学校じゃあんま会えないだろ。」
「……今日はやけに素直ではないか、清正。調子が狂う。」
 小さく笑いながら、俺は清正にぴったりと寄り添った。
「お前だって。」
 清正も笑ってそう言うと、俺の肩を抱いた。今日は肌寒くて、この体温が離れ難いほど心地良かった。




 「お前んちには電話しとくからさ、今日泊まってけよ。」
「…明日も学校だぞ?
……しかしまぁ、お前がどうしてもと言うならば…考えてやらんことも無い。」
「…あーはいはい。
どうしてもお前に帰って欲しくないから、泊まって行って下さい。」







 それから二人で子供みたいにじゃれ合って過ごした。兼続達のことなどとやかく言えぬほどに。


 次どこかに寄り道するなら、清正も入れて四人がいいな。




   ―おしまい―



- 19 -


[*前] | [次#]
ページ:





→トップへ

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -