年下彼氏(幸兼♀・清三♀)


 ※三成・兼続→高二、清正・幸村→高一設定。学校は四人共同じです。







 親友の恋と言うのは応援したいものである。



 …が、その恋が実った後に、こんな鬱陶しい思いをするとは思わなかった。

 「幸村、ほっぺにソースが付いているぞ。」
「あ、すみません兼続殿…。」
「急いで頬張るからだ、この食いしん坊めっ☆」

 幸村と兼続、俺の親友である二人が、お互いの気持ちは明白であるのにどうしてもくっつかない……。二人揃って変なところで妙〜に鈍かったのである。そこで俺は、様々な知略を巡らしどうにかこの二人をくっつけることに成功したのであった。二人が幸せだと、俺も嬉しい。…だが。



 「幸村、兼続…。俺もいるのだよ?」
 ここは価格設定が学生に優しいイタリアンレストラン。自分達のように学校から解放され、だべりながら食事をしている学生達が多々見える(ドリンクバーで長居ができてしまうのだ)。それで客の回転を悪くしているせいか、今日も店内は結構な混雑を見せている。俺はともかくとして他の客の目もあろうに……こいつらのいちゃいちゃっぷりはヒドイものであった。

 「ああ三成、グラスが空になっているな。私が何か取って来よう。何が良い?」
「いいです兼続殿、私が行きますよ。ほら、あなたもグラスを貸して下さい。そんなに持てないでしょう?」
「大丈夫だ、お盆を借りる。」
「なら一緒に行きます、私に持たせて下さい。」
「平気なのに。幸村は過保護だな…。」

 ……以上のやり取りの末、十数メートルしか離れていないドリンクサーバーまで幸村と兼続は手を繋いで飲み物を取りに行った。あいつらがこんなに馬鹿だったとは…最近まで知らなかった。

 しかし、奴らはなかなか絵になっている。兼続はいつも結い上げている黒い髪が艶やかで綺麗だし、ぽったりとした唇も色気があると思う。また、あのたわわな胸と尻。非常にグラマラスで、全く以て不義な身体つきをしているのである。幸村は見るからに爽やかなスポーツマンで、笑顔を絶やさず礼儀正しく親切。背も高くて、見た目にも頼り甲斐がありそうな男だ。親しい友としての欲目を引いたとしても、二人はお似合いだ。だからこそ、余計に俺がいては邪魔だろうか、と思ってしまう。




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