ヨゾラスキップC


 そのとき、
「三成!!」
 凛とした声が割って入った。見覚えのある藤色の浴衣と赤い帯。ギン千代だった。
「この娘に何か用か?立花の連れなのだが。」
 俺をかばうように前に立つギン千代、それに続いて宗茂が来た。
「ナンパなら余所の女性にして欲しいな。」
 ……なんだこの男前カップルは。きらきらしてるぞ。
 先ほどの男達は、二人のハンサムっぷりに逃げ出してしまった。


 「ギン千代、宗茂。礼を言う、助かった。」
「これくらい構わないさ。しかし、本当に一人なのか?清正と一緒だとばかり…。」
「三成を一人にするとは許せぬ、加藤め!」


 「三成〜っ!!」
 俺を呼ぶ、奴の声がした。
「清正だ…。」
「探してるんじゃないのか?」
「ああ、じゃあ俺は行く。二人共、またな。」
「また今度な。」
 軽く手を振り、二人と別れた。


 「清正。」
「三成!どこに行ってたんだよ!」
 清正は俺の肩をがしっと掴んだ。
「……りんご飴…。」
 俺は食べかけのピンク色のりんご飴を見せた。
「そんなの、俺が買ってやるって言ったじゃねーか!何で勝手にいなくなるんだよ!」
 ……怒ってる。清正の剣幕に、じわりと涙が滲むのが分かった。
「…悪かった……。」
「ぃ、いや、泣かすつもりじゃ…っ。
無事ならいいんだ、何も無かったか?」
「変な男達に絡まれたが、ギン千代と宗茂に助けてもらった。」
「…は?」
 事の次第を話すと、清正はなんとも渋い顔をした。




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