ヨゾラスキップB


 たこ焼きを食べたり、焼きそばを食べたり、射的をしたり、ソースせんべいやチョコバナナを食べたり(食べてばっかりな気がするが、それらの大半は清正の胃に収まっている)しているうちに、すっかり時間は過ぎていた。途中、クラスの連中に鉢合わせたりもしたが、清正は俺の手を離さなかった。それが少しだけ、嬉しかった。



 もうすぐ花火が始まるので、俺達も人の流れに乗って移動した。もうあまり良い場所では見られないかも知れない。



 大きな音と共に夜空に咲く、大輪の花。周囲の人込みからは歓声と感嘆の声が漏れた。しばらく俺も色とりどりの輝きに見とれていたが、ふと横の清正を見上げると。

 同じように空を見上げる清正の精悍な横顔が、花火の光に照らされていた。銀色の髪の毛が様々な色に反射して、キレイ。


 ……こいつ、こんなに格好良かったか?


 花火でなく清正は見詰めてしまう俺。その真っ直ぐな瞳に映るのが俺ではなく花火なのがちょっとだけ悔しくて。こっそり清正から離れた。



 境内に戻って二個目のりんご飴を食べた。今度は苺みるく味とか言って、ピンク色のそれ。うむ良く分からぬ味。俺が神社の隅に座り込みもごもご味わっていると、
「お姉さん一人〜?」
 …なんともベタな展開に。数人の男(見るからにチャラそう)に囲まれてしまった。


- 11 -


[*前] | [次#]
ページ:





→トップへ

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -