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お父さんは心配性!R(左+清三)
※「お父さんは心配性!R(リターンズ)」・同タイトルのお話の続編みたいな感じです。
おねね様に頼まれて、清正さんと殿は、これから城下へと年始のための買い出しに行くらしい。「あの二人なら護衛はいらないよね!」と呑気なおねね様だが、必要に決まっている。
可愛い殿を、あの猛獣・加藤清正から守るための兵士が!!
……その大役は、この左近めが仰せつかりましょうか。殿に言うと絶対怒られるだろうから、こっそりついて行きますよん☆
年末で忙しい街中を、二人から一定の距離を保ちながら歩いて行く。これだけ賑わっている中なら、簡単にバレることはないだろう。まぁ多少歩きにくくはあるが。
あれ?殿?そんな着物左近初めて見ますけど?新調したんですか?清正さんのために新調したんですかぁああ!?
あ゛!人込みに乗じて手なんか繋いでコラー!!!
(このとき、俺は周りから大層おかしな目で見られていたらしいが知ったことでは無かった。)
重そうな荷物は清正さん、軽そうな荷物は殿が持って、二人並んで何とも仲睦まじいご様子。清正さんは殿を人込みから庇うように歩いていて、その無駄なイケメンぶりも腹が立った。むしろ俺の奥歯は既に欠けそうだった(歯をぎりぎりと食いしばり過ぎて)。
俺が清正さんを呪おうとしたそのとき、突然殿が足を止めた。
「左近。」
「!?」
「ついて来てるのは分かっているんだぞ。」
つかつかと不機嫌そうな顔で俺に近付いて来る殿に、眉間にシワを寄せて渋い顔の清正さん。何故バレたんですか!?
「さ、左近じゃないですよー…。」
何とも苦しい、言い訳にもならない言葉を吐き出す俺。何だか気まずくて二人の顔が見れない……。
「ならば知らん男だな。行こう、清正。」
「あ、俺左近です。島左近ですすいません。」
容赦無く踵を返す殿と清正さんに、慌てて追いすがる。
「そんなに俺が気に入らないか、左近。」
そう清正さんが俺に言うが、気に入らないに決まっている。俺が、大切に大切に育てた(←※勘違いです)可愛い殿を誑かしたのだから。
「清正、何をこいつに気を遣う。」
静かに睨み合う俺達。その、穏やかでは無い雰囲気に割って入ろうとする殿を俺は制した。
「殿、口出しは無用ですよ。これは、俺と清正さん……男と男の問題ですから。」
しかしそれは逆効果だったようだ。
「何なのだ左近!お前は俺と清正を引き離そうとばかりする!そんなに一緒にいてはいけないか!?何故俺達をいつまでも認めてくれない!!
…もう、そんな左近なんか大嫌いだ!!!」
大嫌いだ…!大嫌いだ……!大嫌いだ………!
と…っ、殿ぉおおおー!!!
俺が衝撃のあまりにそのまま路上でむせび泣いていると、その間に殿と清正さんは帰ってしまった。
親の心子知らず、とはよく言ったものですね。来年こそは、清正さんと決着を付けますよ!!
おしまいですよん☆
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