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夏風邪A
「三成、三成っ!」
俺は三成を抱き締めた。そんな馬鹿な、こいつはただの風邪だ、そう思っていても背中を流れる一筋の汗は冷たくて。なおも咳き込む三成の背をさする。
「…大丈夫だ…、清正…。
布団より温かくていいな、お前は……。」
三成は俺を安心させるよう優しくほほ笑むと、目を閉じてゆっくりと俺の胸に顔を埋めた。俺は三成を温めるように全身で奴を身体ごとそっと包んだ。
「…ずっと、こうしてる。お前が良くなるまで。」
「……あぁ……。」
しばらくすると腕の中から規則正しい穏やかな寝息が聞こえてきて、俺はようやく安堵の息を吐いた。
「…おやおや。」
(清正さんと殿が抱き合って寝てる…。これじゃ俺の出る幕は無さそうですね。)
後日、今度は清正が風邪を引いたとか引かなかったとか。
―終わり―
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