お父さんは心配性!A


 どうしたら美しい花を害虫から守れるのか。

 俺はとうとう、清正さんに直談判することにした。



 「清正さん、わざわざ足を運んで頂いた意味、お分かりですよね?」
 清正さんとこうして膝を突き合わせて話すのは初めてかも知れない。
「…三成のことだろ?お節介な野郎だな……。」
 鬱陶しい、というふうに目の前の男は頭を掻く。俺にしてみればあなたの方が鬱陶しいのですがね。
「正直に言います、もう殿には近付かないでもらいたい。」
「何でだよ?確かに関ケ原の件では俺も三成もお前に感謝しているが、俺達の関係に口出しされる所以は無いだろうが。」
 何を!!?
「左近が腹を痛めて生んだ可愛い殿を、そんじゃそこらの男にやれる訳がないじゃないですか!!」
「三成がいつお前から誕生した!!!」



 ……話し合い(?)は平行線で終了した。





 ……今日も今日とて、殿と清正さんがイチャイチャしている。嗚呼、あんな庭先で抱き合って……。最早あの二人の仲が豊臣家公認だなんて、認めませんからね!
「殿、清正さん。」
「「左近!?」」
 大木の後ろから出て来た俺に、二人は飛び上がって驚いて、慌てて離れた。俺は清正さんだけを手招きして呼び寄せた。
「何度も言いますがねぇ、うちの殿に手を出さないで下さいよ。」
「いい加減くどいぞ?」
 相変わらず交わることのない会話を殿に聞こえぬようこそこそしていると、不意に背中に視線を感じた。


 …じとっと殿が俺達を見つめていた。そして唇を尖らせながら言う。
「…また俺を除け者にして内緒話か。お前達はいつの間にそんなに仲良くなったのだ?」

「違う!!」
「違いますよ殿!!」
 二人揃って即座に否定をする。
「ほら仲良しではないか。(つーん)」


 ………あーあ〜、殿のご機嫌を損ねてしまいました…。




 まぁ、そんなこんなで俺と清正さんの攻防はまだまだ続く。(そう、俺の気苦労もまだまだ続くってことです…。)




終わっちゃいますよん!


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