この日を@(清正ハピバSS・清三)


 今朝は、六月とは思えないほどのいい天気だった。空がぴかぴか光って、カラッとした晴天だ。まだ夜は明けたばかりだが、気温は既に高い。
 梅雨時の貴重な晴れ間を利用しない手はないと、俺は早速外で鍛練をすることにした。




 そこにはいない敵に向かって槍を振り下ろす。なるべく小さな動きで、相手の急所を突けるように意識をしながら。汗がポタポタ流れ落ち、太陽はじりじりと容赦なく肌を突き刺すが気になどならない。




 「清正。」


 暑苦しいこの場面に似合わぬ涼やかな声。振り返って確認せずとも誰かなど分かっているが、槍を置いて声の主の方へと体を向けた。
「三成。どうした?」
「さあ。」
 ……はい?こんな早朝から何か用かと聞いたつもりであったのに、返って来たのはよく分からない二文字のみ。そして何故だか両手を広げている。
「さあ。」
 そのまま三成がにじり寄って来たので、俺は思わず後退ってしまう。


 にじり。
 後退。
 にじり。
 後退。


そんなやりとりに痺れを切らしたのか、三成が俺に飛び掛かって来た。




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