三成が筋肉フェチな話(清三)


 「夏はいいな。」
 三成がむき出しになった俺の二の腕にぺたぺた触りながら言う。だいぶ汗でしっとりしてますけど、いいの?
「どーしたよ唐突に…。」
「薄着になるから幸村や左近の筋肉を、着衣を脱がすことなく拝むことができる。」


 ……さらっと凄いこと言ってね!?こいつ!脱がしてまで一人筋肉鑑賞会してんの!?初耳なんですけど!つーかあいつらも許可すんなよ!脱ぐなよ!!!

 ……と言う俺の心のツッコミも空しく、三成はうっとりしながらべらべらと喋り続ける。

 「幸村は鎖骨のラインや腹筋が堪らないのだよ。左近の胸筋には胸毛のオプショナルが……。」
「…ふーん。」
 聞いてませーん。
「兼続もああ見えて首筋が綺麗だったりするな……。しかし、一番好きなのはお前の身体だ。」
「へーぇ……って、は!?」
 面食らって三成を見ると、ふ、と柔らかく笑った。
「…身体だけかよ、好きなのは。」
 その笑顔があんまり綺麗だったから、思わず視線を外して愛想の無い返答をする。すると三成は真顔で言った。
「いや、清正の身体で顔が今川義元だったら嫌過ぎる。」
 俺も嫌だよそんなん。



 「…俺は、お前が逞しくなった理由を知っているからな。」
「…?」
「お前が、秀吉様やおねね様、俺達と、この家を守るために逞しくなったと、俺は知っているから。」



 「だから、俺はお前の筋肉が一番好きだ。」

 瞬間的に俺は三成を抱き締めていた。

 「今夜はお前の大好きなこの筋肉で、一晩中包んでてやるよ。」
 そう言って三成の白い額に唇を落とすと。
「暑苦しい!いらん!!」
 と、可愛くないことを頬を真っ赤にして可愛い顔で言うから。明日も明後日も、ずっとずっとこうして包んでいてやろうと決めた。





 「しかしこれ以上筋肉を付けたら見苦しいからな?」
「……肝に銘じとく。」



    ―終―


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