爆ぜる
何だろう、この感覚は。
喉の下辺りがきゅっとするような焼けるような、よくわからない。
そんな時は大抵視線の先にはナナシが居て、誰かと話をしていたり。
どんな話をしているのか気にはなるけれど、何故かいつものように威勢よく飛び出す気にもなれない。
ただ遠くから眺めて歩みを止めている俺は、行動を共にしているジタンやスコールに行くぞ、と声を掛けられてまた歩み始めるというのが習慣になりつつある。
「お〜い、バッツ!置いてくぞー?」
「あぁ、悪い悪い。今行く!」
大分先に進んでしまっている二人に走って追いつくと、呆れたような溜め息をつくスコールにごめん、ともう一度謝る。
「‥‥‥最近呆け過ぎじゃないか?」
スコールが口にした言葉に、ジタンがう〜ん、と考えるように両腕を頭の後ろに回した。
「それより‥‥‥わかりやす過ぎないか?」
「わかりやすい、て何がだ?」
「何って、好きなんだろ?」
「‥‥‥何を?」
そう言うとジタンは目を丸くして、えっ!とオーバー過ぎるくらいに驚く。
「お前、自分で気付いて無いのかよ!」
信じられないというような顔をして俺を見ると、腕を前に組み直して背中を丸め、何やら呟きながら先に歩いて行ってしまった。
その場に残されたスコールと俺は、お互いの顔を見遣ると、ただ首を傾げた。
end.
-------------
続きを書く予定です。