キリリク [ 2/2 ]
「あ、もうこんな時間だ…」
白恋中の皆へ手紙の返事を書いていたらあっという間に十時半を過ぎてしまっていた。就寝時間は十時だから、早く寝ないと…。 片付けも終わり眠気眼でべッドへ潜り込もうとしたら、ドアをノックされて
「えー…と、ヒロトだけど…吹雪君起きてる?」 「ヒロトくんっ!?」
恋人の突然の訪問に眠気なんて吹っ飛んでしまった。 いそいそとドアを開けると枕をぎゅっと抱き締めたヒロトくんがいた。
「ど、どうしたの?就寝時間過ぎてから来るなんて珍しいね…」 「いや、そのー…雷が怖くて…」「雷?」
ヒロトくんの言葉に耳を澄ますと微かに遠くの方で響く雷の音がした。でも本当に小さくて、僕も雷はニガテだけどそんなに怖くはない感じだった。
「…お日さま園のころは皆で寝てたから…まだ、大丈夫だったんだけど…」 「やっぱり雷は怖くて、僕の部屋に来た…と」
こくこくと頷くヒロトくんの顔はいつもよりも青ざめていて、本当に雷がニガテなんだって事を物語っていた。
「んー…、じゃあ一緒に寝る?僕も雷はニガテだし…」 「…!!良いの!?」 「うん、明日も練習あるしね」
ぱぁっと嬉しそうに笑うヒロトくんを見て僕も安心した。
もぞもぞと布団に入ると、やはりシングルベッドに二人が寝るのはちょっと窮屈だった。とりあえず、ヒロトくんと向かい合う様な体制にして落ち着いた。雷はだんだん近づいて来ている様で、雨音も大きくなって来た。 気を紛らわそう、とヒロトくんから話しかけてきた。
「…吹雪君も…雷、ニガテなの?」 「うん…大きい音が怖くて、雷もね」 「あぁ、俺も大きい音はこわ」
ピカッ ズドーーン
「「わあぁあぁあぁあ!!!」」
突然近くに落ちた雷に、お互いびっくりして抱き締めあった。
「どうしようっ!!?宿舎火事になら無いかなぁっ!!??」 「ぶっそうな事言わないでよヒロトくん!?」 「だって雷!雷がぁっ!!」
わぁわぁと二人で狼狽えたけど、何だか突然興が冷めてしまった。
「?吹雪…くん?」 「ぷ、あはははははっ」 「!?どうしたのっ?ついに吹雪君がこわれっ…!?」 「いや…なんかさ、急に嬉しくなっちゃって」 「えぇっ!?」 「だってヒロトくんのこんな姿見るのって初めてだし、僕もこんなところ皆に見せた事ないし」 「まぁ、そうだけど…」 「こうしてあんまり人に見せないところ見せてくれるのは、恋人の特権かなーって」
そう言って僕はヒロトくんをぎゅうぅっと抱き締めた。
「ねぇ、雷になったらまた僕のところ来てよ?一緒に居たいなぁ」「う、…ん」
ヒロトくんは小さな声で返事してくれた後、ぎゅ、と抱き締め返してくれた。
−気付けば、雷は又遠くに行ってしまった。
*頂きました! ぐぁああああ二人マジ天使可愛い、もうなんて二人可愛いの! 本当にありがとうございます!すっごい可愛いです!ニヤニヤ止まらないww
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