「スコールッ」
「バッツ……」




朝から何なんだ! イチャ付くならせめて俺の居ない所にしろよ!


俺はジタン。レディが大好きな健全16歳男子。
好きなのは女の子。女の子が大好き。男のイチャ付く所なんて見たかねーよ。


そんな俺は今、コスモスが俺達を休ませる為に用意してくれたテントの中に居る。
寝てるんだ。そう、寝てるはず。

バッツとスコールも一緒。
そうだよ、一緒なんだからさ、自重して欲しいんだ。

朝だぜ!? あー良く寝ました、はい、起きましょうって感じで俺は目覚めたいんだ!

起きれねぇ……



「馬鹿、どこ触ってんだ……ぁッ」
「大丈夫だってジタン寝てるし」



起きてますって。
もう、あんた達がイチャ付いて声がでかいもんだから起きたんだよ。
ほらー、起きれないじゃんかー。


起きればいいじゃんって思うかもしんないけど、前もこんな事があった。
俺が、もう我慢出来ない、起きようって思った途端にスコールが……す、スコールがイッしまって……。



まぁ、同じ失態はしたくない。
このまま二度寝をしよう。
今5時だし。うん。そうしよう。




これが俺の朝である。








「ジタン、そろそろ起きろよ!」
「うぁ……」




重たいまぶたを開けるとバッツが凄くすがすがしい顔で俺の前に居た。
横目でチラッとスコールを見ると顔が赤かった。
ああ、やったんですね。


「ほら、早く起きろよ! 早くみんなの所に行こうぜ」



早く起きてたよ! お前達がイチャ付いてるから起きれなかったんだよ!
って言いたいけどグッと堪える。スコールも自重してください。


「ほら、スコール行こうぜ」
「ん、ああ」


バッツは良い笑顔でスコールに手を差し出す。
毎朝恒例おててを繋いでみんなの元へ。

俺はどうせ空気だよ……。


俺は重い足取りで、二人でお花を散らせながら歩いていく。
おかしいな、いつこんなんになったんだろうか。

一週間前は、バッツは普通に馬鹿騒ぎして、俺も一緒になってたけど。
スコールは、嫌そうな顔をしながら眉にシワを寄せてた。
それが何か知らないけど俺とスコールのポジションが逆になってる。




「3人共遅いっすよー!」
「わりぃわりぃ、ジタンが起きなくてよー」



思わず髪の毛が逆立つ。
お前達がイチャ付いてるから俺は起きれなかったんだよおぉおお!!!

それを分かってくれるのか、分かってくれないのかティーダは


「ジタンはお寝坊さんっすね」


と笑顔で俺に言ってくる。




まぁ、こんな感じで1日が始まる。
だいぶカットしてるけど、みんなと合流してからも二人はイチャ付いてます。
ウォーリアは、言っても二人が治さないので無視をしてるらしい。
この前、クラウドが注意したらとんでもない事になった。

そんな迷惑ばっかりかけてる二人だけど、やる事はちゃんとやるので問題は特に無い。


まぁ、今日はグループ分けをして、二人一組だから俺は二人の元から去る。
今日はティーダと一緒。


適当に周辺のイミテーションを倒すのが今日の任務らしい。
俺達はな。

だけど、クラウドとセシル。
ウォーリアとフリオはちょっと奧まで敵の様子を見に行くらしい。




「ジタンも大変っすね」
「あ、何が?」
「バッツとスコールの事だよ。二人ずっとイチャついてんもんな」


ケラケラ笑いながら俺に言ってくる。なんだ、分かってたんだ。俺が大変って事。
でも、何か馴れっていうか馴れてきたもんな。

馴れって怖いな。



「テントの中に居る時気使うだろ?」
「んー、時々な。でもそんな日中イチャ付いてねぇよ?」
「へー、意外」
「そういうもんか?」




辺りは真っ暗。
適当な話をして俺等はみんなの元へ行く。
みんな居るようだ。


「みんな今日はご苦労だったな。じゃ、今日は解散」


フリオがみんなに言って、みんな自分のテントへと戻っていく。
俺もバッツとスコールの元へ行く。


「今日どうだった?」
「今日はイミテーションの量が少なかったかな?でも、俺は余裕だったな」
「そんな事言って、お前後ろ取られてたじゃないか」
「う、うるさいな!いいじゃんか!」
「良く無い、怪我したらどうするんだ。なあ、ジタン」
「あ、ああ」



まさか話を振られると思ってなかったから声が裏返ってしまった。
スコール……バッツと喋ってる時ホントに幸せそうな顔してんなー。

スコールの過去の話とか聞いた事あるけど、やっぱり愛する人とか近くに居たら嬉しいんだよな。
スコールめっちゃ束縛するし。


テントに入った頃。
バッツが真剣な顔をして俺の近くで腰を下ろした。


「ジタン」
「どうしたんだ、バッツ?」
「あのさ……」



どうしたんだ、バッツのやつ。こんなにゴモゴモして。



「俺とスコールが、さ、最近イチャ付いてウザイって思って、る?」
「あ……まぁ、時々……な」



あ、分かってたんだ。



「やっぱそうかぁ。ゴメンな、ちょっと明日から我慢するから」
「あ、そんな、良いよ。俺の事気にしなくていいから!」
「で、でも……」




こんなやりとりを5、6回やってバッツは苦笑して、ホントごめんなって言ってくれた。

本音を言うと自重して欲しいけどね。
でも、俺の事気にしてくれたのはちょっと嬉しかった。

まあ、言わないけどね。





と、次の朝。



「スコールッ」
「どうしたバッツ」
「なあーシたいー」
「しょうがないな……。激しくすんなよ?」




今、俺寝てないけど。
起きてますけど!? 俺の事気にしてたんじゃないの!?
ねえ、え? え、ホントにヤッちゃうの!?
俺空気ですか!?




「なんなんだよ! このバカップル共!」








*PREV END#

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