スコールは忙しい。








《この時間が幸せ》






ぶっちゃけ俺は恋愛とかした事はあまりない。
好きとか良く分かんない。どこまで行ったら好きなのか嫌いなのか、境界線とかサッパリ分からない。

親父は……大嫌いだ。嫌いじゃなくて大嫌い。

でも、本当は良く分かんない。
大嫌いだったら会いたく無いって思うし。


こんな感じで俺は良く分からない。
でも、生活には困らないし。だけど、最近あいつの事が気になる。


スコール・レオンハート。



俺のこんな派手で胸元が開いてる格好とは全く違って黒一色の大人って感じの服装を身にまとっている。

髪の毛も顔つきも全体的に全然違う。
俺は、金髪だけどスコールは深い茶色。顔つきも俺は童顔って良く言われるけど……スコールは老け顔らしい。
本人曰く「お前が子供すぎるんだ」だって。
性格も真逆。


こんなに違うのに、何故か気になる。
真逆すぎるから逆に気になるのかな?


良く分かんないや。



気になり始めたのは、本当に些細な事だった。


俺はどちからかと言えば騒がしい方で、バッツとジタンと一緒に毎日と言っても騒いでいる。
まぁ、騒いでると強制的にバッツやジタンがスコールを巻き込む形になる。

俺はスコール怒るんじゃないのか? って思ったりもするけど、スコールは笑ったんだ。


ずっと無口でクールって印象が強かったせいか、その笑顔を見た時ドキッと胸が高鳴った。

もっと笑って欲しい。
もっと笑って欲しい。

そう思った。



そう思ったら俺はスコールに付きまとうようになった。

休憩するテントも無理行ってスコールと一緒になった。
無理って言っても無理じゃないかも。

ウォーリアはフリオニールと一緒だし、たまねぎはティナと。
セシルはクラウドとだし、バッツはジタンと。

だから自然的にスコールと一緒。
すっごく嬉しかった。

友達だから嬉しいのか、何で嬉しいのか分かんなかった。


テントが一緒になってからスコールとはもっと喋ってくれるようになった。
スコールのお父さんの話とか。

戦いが終わったら少し素直になって喋ってみたいって言ってたりした。
……俺は戦いが終わって元の世界に戻ったら消えちゃうかもしれないな。


一緒になる時間も増えたけど、スコールは元々多忙の身だった。

元の世界で《しーど》って言う凄いのだったらしいから、戦いには慣れっこで、ウォーリアや、クラウドと作戦会議に良く出かけて行ってしまう。

俺は突っ込んで行くだけだし頭とか使わないし作戦なんて考えられない。
だから、戦闘でみんなを助けるっていつも思ってる。



今日もスコールは作戦会議。
俺はお留守番。

今日は遅いな……。
いつもは一・二時間で帰ってくるのに。
もしかしたら今日は帰ってこないかも。

俺がため息をついて毛布にゴロンとくるまると、誰かが入ってくる気配を感じた。


「ただいま、ティーダ」
「あ! スコール! おかえり!」



スコールは疲れた顔をしてたけど無理をして俺に微笑んでくれた。
無理をしなくて良いのに。俺の前では崩れても良いのに。


そんな事を思ってると、スコールはジャケットを脱いで俺に向かって手招きをした。
――何だろう?
近付いて見るとスコールが頬を赤らめながら恥ずかしそうに


「今日は寒いし一緒に寝ないか?」
「今日もッスか?」


俺は笑いながら答えると、スコールはむっとした顔をして毛布にくるまって寝ようとする。


「しょうがないなぁ」


俺はフッと笑ってスコールをギュッと抱きしめて頭を二回ポンポンと叩いた。そうするとスコールは気持ちよさそうに、ん、と言って耳を赤くする。

さっき老け顔・大人っぽいって言ったけどやっぱり俺と同じ一七歳。
反応は俺みたいに子供っぽい。

こうやってスコールを抱きしめながら寝るのが幸せ。
スコールと一緒に居るのが幸せ。どんなに忙しくても一緒に居る。

俺ってスコールが好きなのかなぁ?








*PREV END#

Bookmarknamechange


 

「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -