フリオニールと付き合って2ヶ月。







「え、まだなのか?」



人と付き合うのは初めてで、何をどうしていいのかサッパリ分からなかった。
偶然昨日バッツとそういう話をしていて、俺達は進展が無いという事が分かった。

実は手も繋いだ事も無い。
俺もフリオニールもこういう事には馴れていなくてどうしたらいいのか分からなかったりする。




「スコール、どうした?」
「え?あ、何でも無い」




フリオニールが隣に居るだけで十分幸せだ。
別にそういう知識が無いわけでは無いんだけど……。
やっぱり手は繋いだ方がいいのかな。



「あ、今日スコール見張りあるか?」
「今日は無い。それがどうかしたか?」
「俺の……テントに泊まり来ないか?」












どうしてこうなった。
泊まりに来ないかって……え、これはまさかの誘われた……んだろうか。
誘われたっていえば誘われてるが、そういう誘われじゃなくて……。

日が暮れたら来て良いよって言われた。
それまでに何かしなくては……でも一体何をすれば……ッ。
勝負パンツをはいていけばいいのか!?


「もう分からない!」
「……どうしたんだよ、スコール」
「え、あ、バッツ!」


俺はモヤモヤしていたさっきまでの事をバッツに相談した。


「別にパンツは何でもいいと思うぞ」
「え、なんで?」
「いや、すぐ脱がすじゃん」


あ、そうか。
パンツはどうでもいいのか。


「普通でいいと思うよ。スコール可愛いし」
「……意味不明」


たいしたアドバイスもしてくれなく俺は普通にフリオニールのテントに向かう事にした。
そういえば、フリオニールのテントに行くのは初めてかもしれない。
いつも近くの木陰で話したりするからなぁ。



「フリオニール、来たぞ」
「いらっしゃい!汚いけどどうぞ」


汚いって、凄く綺麗じゃないか。
歩く場所あるし……て、バッツと比べたら失礼か。
フリオニールのテントの中はホントにシンプルだった。
特にモノが多いわけでもなく少なくも無い。
まぁ、花がたくさんあるが。


「ご飯まだなんだが……そうだ、水浴びてきたらどうだ?近くに湖があっただろ?」
「え、あ、うん」
「これタオルな、しっかり洗ってくるんだぞ」


……これは完璧に覚悟しておいた方がいいんだろうか。
部屋に来てお風呂を薦めるなんて、ヤる気がありすぎだろ……!
しかもしっかりってしっかりって!
あぁ、もう俺落ち着け。




フリオニールの言われた通りしっかり洗った。



「フリオニール、洗ってきたぞ」
「おかえり!って、ちゃんと拭かなきゃ風邪引くぞ」


そういうとフリオニールは俺の手からタオルを奪って頭をガシガシと拭いてくれた。
こういう世話焼いてくれる所、好きなんだよなぁ。


「これでよし、ご飯出来てるよ」
「うん」







「美味しかったか?」
「不味いわけだいだろ」
「良かったぁ……」


ホントにフリオニールのご飯は美味しい。
なんていうか、懐かしいっていうか、ガーデンのおばさんの味を思い出す感じがする。


「そういえば布団なんだけど」
「ああ……」
「一つしか無いから一緒なんだけど、大丈夫か?」
「別にいい」


ほらきた。
やっぱりそうなのか。
やっぱりパンツしっかりしたモノをはいてこれば良かった。


「ん、ほらスコールこっち」
「あぁ」


俺は寝間着に着替えてフリオニールの隣にゴロンと寝ころんだ。
フリオニールの臭いがする。毎日ここで寝てるのか……。


「よし、じゃあ明かり消すからな」
「うん」


ランプの灯りを消すと辺りは真っ暗になった。
あぁ、これがムードがあるって事なのか。
俺も今日で大人の階段を上がるのか……。



「スコール」
「えぁ、な、何だ」


急に話しかけられてビックリした。
どうしよう、さっきからドキドキが止まらない。伝わったらどうしよう。


「手、繋いでいいか?」
「……手?」
「きゅ、急にゴメン!スコールともっと長い時間一緒に居たくって……だから、駄目か?」
「……ううん、俺も繋ぎたい」
「ありがとう」



なんだ、ただ普通に寝るだけか。
ちょっと安心したかもしれない。

やっぱりすぐにするなんて早いよな。
お互い経験があるわけでもないし、キスもまだなんだから。
手だけでも十分幸せだ。フリオニールと繋がる一つの手段でもある。


ゆっくりでいいか。
俺達にはそれが一番丁度いい。

*PREV END#

Bookmarknamechange


 

「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -