「あー、暇だ」
「なー、暇」
俺は今ジタンと一緒に居る。
ホントなら俺の隣にはスコールも居るはずだけど、今日は探しモノがあるとか言って1人でどっか行っちゃった。
俺もついてく!って言ったんだけど、ついてくんな!って言われた。
顔真っ赤にしながらどっかに。
俺、別に変な事は言ってないよな。
良く分かんなかったけど、スコールの真っ赤な顔可愛かったなー。
「にしても暑くねぇ、今日。バッツは薄着で暑いか分かんないけど」
「俺も暑いなって思ってた。よし、水遊びしに行こうぜ!」
「やった!行こう行こう!」
遊ぶ事が決まると俺達はすぐさま水のある場所へ向かった。
森を少し抜けた所にある俺達3人の秘密の場所。
疲れた時とか、3人だけでゆっくりしたい時に良くここに来たりする。
「いつ見てもここの水綺麗だな」
俺は腰を下ろして湖に手を入れて水を掻き回してみる。
ほんっと綺麗な水だよな。
ここで水浴びしてる時のスコールは、あれだ、あれ、水も滴るいい男なんだよ。
その時スコールが居た場所に視線を移すと赤い花が咲いていた。
「ん?何だこれ……」
こんなんあったっけな。
俺は花に近付いて見ると凄く綺麗な花だった。
俺の世界では見た事無い花だな。
ジタンなら知ってるかな?
「ジタン!」
「んー?」
「この花何か知ってるか?」
「これ、キクかな?確か」
「キク?」
「ああ、綺麗だよな、花って」
「ふぅん……キクか」
俺は何でか分からないけどその花が好きになった気がした。
いつもなら、花綺麗だな、で終わるのに。
「ぁ、バッツ!」
「ん? あ、スコール!」
居ないはずのあいつが草木をかき分けで俺の前にやってきた。
あんなに息切れしてどうしたんだろう?
「どうしてんだ、スコール。服とかボロボロじゃんか」
「バッツの事探してて、……ここに居たのか」
「水遊びしたくてな!あ、そうだ。スコールこれ見てみて!」
「ん?……ぁ」
スコールはハッとして、目を見開いて俺を見た。
そして、わなわなと震えて唇をキュッと噛みしめていた。
「え、お、俺なんかした……?」
「俺が先にこれ見せようと思ったのに……」
「俺に?」
「ああ、今日捜し物するって言っただろ?これ探してたんだ」
「これ?何で」
「……バッツが好、きだか……ら、見せようって思って……」
「えぇ!?急にどうしたんだよ?」
スコールは急にモジモジしだして、最終的にはそっぽを向いてしまった。
この花とスコールが俺の事好きって一対なんの関係があるんだ?
いや、スコールが俺の事好きなのは知ってるけど、えへへ。
じゃなくて!
んー、考えてもサッパリ分からない。
「……バッツ」
「ジタン?」
「分かんないけど、花言葉だと思うよ?赤いキクの花言葉」
「でも、俺花言葉知らないもん」
「スコールかわいそうだなぁ。……しょうがないな、教えてあげる」
ジタンは俺を手招きして、俺に耳打ちをした。
「スコール」
「何だよ」
「ゴメン、気付かなくて」
「……」
「俺も愛してるから。スコール、愛してる」
「うん、愛してる」
赤いキクの花言葉は
(愛しています)
*PREV END#
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