「君は一人なのか?」
――一人の方が失うものが無いから。
「スコール。私は君を勘違いしてたみたいだ」
――勘違い?今の戦いで何が分かったんだ?
俺は一人で暗い奴で何を考えてるか分からなくて、無愛想で人にどう見られているか不安で不安でたまらなくて弱い奴だ。
「スコール……」
奴は剣をしまい俺に寄ってくる。
そんな目で見るな。
なんでそんなに光に満ちてるんだ!
「来るな!」
俺はガンブレードを近付いてくる奴の首元ギリギリにあてがった。
あいつに包まれたら俺の心の中が全て見られそうで怖い。
叫んで逃げようとしようとするが何故か足が動かない。
「君は何に怯えているんだ」
「怯えていない。俺は」
「じゃあ何故泣いている?」
――え?
そう言われてやっと気付く。
俺の目から大粒の涙が流れ出していた。
自分でも気付かないうちに流れ出すなんて。しかも、こいつに見られて。
俺は自分自身が情けなくて俯いた。
泣いて、泣いて、泣いて。昔と何一つ成長してない。
「スコール……」
ふわっと囁かれ俺は奴に抱き締められた。
「ッ、離せ!」
俺は子供じゃない、そう訴えたら、私から見れば子供だと言われてしまった。
突き飛ばして逃げればいいのに。なのにそれをしない自分に笑えてくる。
本当は温もりが欲しかったんだ。
恥ずかしくて、言った言葉で相手を傷つけてしまったら、そんな事ばかり考えているから本当に伝えたい事が分からなくなっていた。
「私は最初君に逢った時偽りで包まれているような感じがした」
「うん……」
「人を突き放そうとしたり。そのには決まって自己嫌悪」
「……ん」
「しかし戦って君のガンブレードからは流れてくる気は暖かかった」
「……」
「私は戦っているばかりであまり他者とのコミュニケーションを上手く取れないがガンブレードから流れてくる気は確かだった」
「……」
「君は優しい子だ」
光から逃げないで触れてみて初めて分かった。
分かってくれた。それだけで俺は嬉しかったんだ。
触れるだけでこんなに暖かいなんて
*PREV END#
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