「はぁ」



ため息をついて俺は花が咲き乱れる野原に座った。
フリオニールと付き合って1ヶ月経ちました。
顔を合わすだけで恥ずかしい今日この頃。

いや、俺から告白したんだけどあの時自分が何言ったかも覚えていない気がする。

好きだって思ってなかった時は普通に喋れた。
だけど、今じゃおはようで精一杯。



今は春。
一応この季節でも桜は咲くようだ。

俺は桜の花を見つめてみた。
綺麗だなぁ。



「そうだ」



花占いでもしてみよう。
俺は桜で花占いでもしてみる事にした。



「好き、嫌い、好き、嫌い……す、すすすすす、好き……」



どうしよう。やっぱり運命だ。
でも、恥ずかしくて喋れない。
何が運命だ!

でも、花は素直みたいだ。



「スコール。桜の花びらは元々5枚っすよ」
「ティ、ティーダ!?いつの間に!」
「そうだって所から。乙女スコール」




俺は恥ずかしくなって隣に居たティーダから体ごとティーダとは反対方向に向けた。



「なー、いつまで何もしない気だよ」
「何もって……そんな事……」
「だって俺等17歳だろ?ヤりたい時期じゃん」
「やっややっややや、ヤりたいなんて、そそそんな!?ば、馬鹿!」
「ちょ、落ちつけって!」



そ、そんな、まだ手、手も繋いだ事も無いのに、か、体を重ねるなんて!




「しょうがないな、今からのばら呼んでくるから待ってろ」
「はぁ!?お、おいティーダ!」



ティーダはそのまま立ってどこかへ行ってしまった。
ど、どうしよう。
何話せば良いんだろう。


まずは、こんにちはからだな。うん。
そ、そこからどうしよう。




「スコール!連れて来たっすよ!」
「……スコール!?」
「フリオニール」



ティーダは無理矢理フリオニールを俺の隣に座らせて去っていく。



沈黙。




「スコール」
「な、んだ」
「スコール俺の事嫌い?」
「……どうしてそんな事?」
「だって、俺達付き合ってるんだよな。なのに全然スコール俺の顔見て話してくれないし、バッツ達とはちゃんと話すのに」
「ちがっ」
「だから俺の事遊びなのかなって……」



違う違う違うよ、馬鹿。




「そう思ったら悲しくなっちゃってさ」
「違う!馬鹿!」
「え……」




俺が立ち上がってフリオニールを見た瞬間強い風が吹いて花が舞った。
違う。嫌いなんかじゃない。
嫌いになるわけない。



「違うんだ。恥ずかしくて、フリオニールを見てるとドキドキして、どうしようって思って。顔見れなくて、それでそれで」



何言ってんだ、俺。
涙まで流して。
フリオニールから悲しくなってって言葉を聞いた瞬間胸がチクッとした。
俺のこんなウジウジでフリオニールが傷付いてるなんて思わなかった。



「フリオニール。俺ちゃんと好きだから。あんたしか好きになれない」
「スコール!」



フリオニールに押し倒されて花畑に倒れ込んだ。
ちゃっかりと抱きついてるフリオニールに気付くと一気に恥ずかしくて顔が真っ赤になった気がする。
鼓動も早くなるし、これじゃあドキドキが伝わりそうだ。



「良かった……俺だけが好きなんかと思ってた」
「そんなわけない……人を好きになるの初めてだから分かんなく、んッ」



――え?
フリオニール?



「あ、ごめ、ゴメン!」
「今、フリオニール……?」



キスした?
一瞬すぎて分からなかったけど……。
俺は自分の指で唇を触ってみる。
自分の唇とちょっと違う感じがした。
ボンッと顔がパンクしそう。



「あ、あ、フリオ……」
「迷惑だった……か?」
「そんな事無い……嬉しい」




俺はフリオニールの手をキュッと握った。
俺より大きくてゴツゴツした手。
触れて良いんだ。

そう思うと嬉しくて仕方がなかった。




「俺、頑張って馴れるから。これからも……お願いします」
「あ、こちらこそ!」





やっぱり、フリオニールの事好きだ。





*PREV END#

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