今日はヒロトとデートだったりする。
FFIが終わってヒロトがおひさま園に帰ってきて少し経った時にヒロトが

「デートしよう」

って。
現地集合で俺は今なにわランドの入り口に立っている。
周りはカップルだらけで俺は一人。大分目立っているなー。

……実は俺とヒロトはエイリア騒動が終わった頃から付き合い始めている。
俺がダメ元でヒロトに、好きなんだけど、って言ったら、うん俺も緑川好きって。
うわぁ、夢みてーってあの時思ったなぁ。

しかし付き合っても今までとほとんど何も変わらずーだったりする。
普通恋人って、ご飯の時にあーんとかしたり、お風呂の時とかも、お背中流しましょうか?とか無いもんなのかな。

「みーどーりーかわっ!」
「うわぁ!」

後ろからどんっと衝撃が来たと思ったら俺はバランスを崩してその場で倒れ込んでしまう。
衝撃の元凶を見てみると赤いピコピコした髪がゆらゆらと揺れてる。

「遅れちゃった!ごめんね?」
「いーや、ヒロトが事故に遭ったのかと心配だったよ」
「ちょっと服どうしようかと迷ってて……似合う?」

そう言ってヒロトはくるくるとその場で回って服を見せびらかした。
確かあれはこの前出かけた時に買った服じゃないか。
……でも、あれって白のワンピースじゃなかったか?
瞳子さんにプレゼントするって言って買ったんじゃなかったっけ?
それを何でヒロトが着てるんだろう、いや可愛いけどさ。


「それって瞳子さんへプレゼントするやつじゃなかったっけ?」
「そうなんだけど……」

ヒロトは恥ずかしそうにモジモジしながら、これなら堂々と手を繋いでデート出来るでしょ、って。
……可愛いなぁ、この宇宙人は。俺も宇宙人だったけどさ。

膝ちょい上のワンピースの裾を摘みながら、可愛い?なんて聞くから、可愛いよって言うと凄く嬉しそうな顔をして……反則だよ、馬鹿!

「じゃ行こうか」
「ああ」

ヒロトは俺の前をスキップしながら歩いて入場門をくぐる。
懐かしいなー、そういえばよくここでマスターランクのみんなの相手をさせられたもんだ。
コテンパンだったけどな。

「ね、ね!緑川!何最初に乗る?」
「そうだな……観覧車かな」
「最初からクライマックスだな」

ととと、と観覧車へと走っていくヒロトを見て俺は思わずヒロトの手を握ってしまった。
ヒロトはビックリして顔を真っ赤にして俺の顔と手を交互に見て慌てて俺の手から逃れようとしてる。
離すなよ、俺だって自分でビックリしてるんだから。

「い、急ぐなよ、転んでも知らないから」
「あ、うん、ごめんね、リュッ、リュウジ……」
「お、おう」

名前呼びって不意打ちすぎるだろ……ッ!
恥ずかしくなって俺はヒロトを連れて観覧車へと向かう。

観覧車乗って気づいたんだけど密室で5分って……俺耐えれんの?







「リュウジ、てっぺんでちゅーするとそのカップルはずっと幸せになれるんだって。……する?」
「別に今でもいいけど」
「ばっ、馬鹿!」



*リクエストありがとうございます!




「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -