エイリア騒動後FFIに入る前でどっかの学校に通ってる3TOP













俺はヒロトが好きだ。
いつから好きなの?って聞かれたらそれはちょっと答えられないかもしれない。
ヒロトは俺にとって好きで当たり前っていうか……なんて言うんだろうな。掛け替えの人っていうか、とても大切で好きな人だ。
それは俺だけじゃなくて風介も同じで、俺と同じでヒロトが好きだ。
俺達がヒロトの事好きなのは本人も知っているわけでそれを承知してヒロトも俺達と一緒に居る。

小さな頃おひさま園で風介と俺はちょっと喧嘩をした。
もちろんヒロトは誰のかって事で揉めに揉めた。
ヒロトが泣いちゃって、もうやめて、ってのでその場は収まった。

俺達がどれだけ争ってもヒロトは俺達二人の事が好きなのは変わらなくて、だからどっちかがヒロトに選ばれるというのは俺達の頭には無い。
俺達二人の事が好きなヒロトが俺達は好き。

ヒロトは風介の事も好き、ヒロトが好きな風介は俺も好きだ。
これって歪んでるのかなぁ?




「晴矢、風介帰ろう」

ヒロトは俺達の席までわざわざ毎日来てくれる。
エイリアん時は俺達は三人で集まる事はあったけど基本的バラバラだった。
俺はプロミネンス、風介はダイアモンドダスト、ヒロトはガイア。
だからエイリアが終わって俺達はまた三人一緒に居る事になれた。
風介なんて普段無表情だけどエイリアが終わった日を境に笑顔満開。

「二人とも、ちょっと買いたいものがあるから本屋に寄っていいか?」
「風介本読むの?」
「この前みんなでテレビ見てた時に新しい料理本が発売するってあっただろ?それだ」

ヒロトは、やった新作!って飛び跳ねて俺と風介の手を掴んで廊下へと飛び出した。
風介よく覚えてたなー。俺なんてすっかり忘れてたわ。

ヒロトだけクラスが違うから靴箱の場所で一旦分かれる。
すると、クラスメイトが俺をチラチラ見て、俺の服の裾を掴んだ。
俺この子に何かしたっけ?と思いつつ、なにと言うとクラスメイトの女の子は

「南雲君って好きな子居るの?」

なんて聞かれた。
この子俺の事好きなのかな。
なんて思ってるとヒロトが遅い!なんて叫びながらこっちにやってくる。
俺は丁度良い、って思って、ヒロトの手と風介の手を掴んでその子に

「俺はこの二人が好きだから」

って言ってとっとと靴箱を後にした。


「いいの?」
「何がだよ」
「あの子」
「俺にはヒロトと風介が居ればいい」
「私もだ」

ヒロトは、そっか、って言って俯いてしまった。
二年前にヒロトは俺達に向かって、俺じゃなくて二人は別の人を好きになるべきだよ、なんて言ってきた。
俺も風介もヒロト以外を好きになるなんて考えられないし、無理だよって返事をした。
ヒロトは俺達どっちかを選ぶなんて出来ないし、選びたくも無いらしい。どっちも好きでどっちも大事って。

「早く本屋に行こう、晩ご飯に遅れるぞ」
「あ、うん……」
「俺はヒロトと風介が好きなんだ。それでいいだろ?」
「分かったよ」

そういうとヒロトは嬉しそうに笑う。
ヒロトは、好きって言われると幸せそうに笑うんだ。
それが歪んでいても。

「なあ風介」
「どうした晴矢」
「俺達って歪んでるのかな」
「……さあな」




*リクエストありがとうございました!







三人は常に一緒だったらいいな!と
何かもう他の人?知らんわ、みたいな
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