5月






高校1年生5月





学校にも慣れてきて1ヶ月経った。
俺は同じクラスの基山ヒロトと共に行動をしている。
ヒロトとはFFIの時一緒に世界で戦ってきた仲間だ。しかし一番関係が疎かった。
うん、まぁ、元々俺達は気まずかった関係でもあった。
エイリア学園が地球を侵略しようとした時にちょっといざこざがあったしなぁ。

でも、今ではそんな事が無かったかのように俺達は仲良く高校生活を送っている。
そんな時だ。

「ねえ、風丸君今度どっか行こうよ」
「どっか?」
「うん、風丸君こっちに越してきてばっかなんでしょ?だから案内するよ」

ヒロトの住んでいるお日さま園はこの辺りにあって地形に詳しいらしい。
そういえば俺は近くのスーパーで全て買い物を済ませて真っ直ぐ自分の住んでいるアパートに帰るからこの辺りは全く知らない。
丁度良いと思って俺はヒロトと一緒に遊ぶ事にした。








集合場所は俺の家の近くの公園。時間は午前10時。
桜散っちゃったなぁ、なんて思いながらヒロトを待つ。
っていうか、俺こんなラフな格好でいいんだろうか、もの凄く部屋着だ。
ヒロトが凄いオシャレしてきたら俺どうしよう。

「風丸君ー!」

そんな事を考えていると彼がやってくる。ヒロトだ。
中学の時は猫みたいに可愛かったあの髪は落ち着いてストレートになっていた。
でも、髪がピョコピョコと動かしながらこっちに掛けてくるヒロト。

「遅れちゃってゴメンね?」
「いや、俺も今着た所だし」

良かった、ヒロトも普通の格好だ。俺とあんまり変わらない。
そうだよな、どこかに遠くに出かけるってわけでもないし、近所を案内してくれるだけだしなー。
うんうん、と1人で頷いているとヒロトが、ふふっと笑った。

「どうした?」
「あ、いや、あのね、俺も今着た所だしってのが恋人みたいなやり取りだなって思って」

……そ、そう言われてみればそうだ。
全く意識してなかった。で、でも恋人同士みたいってわけで恋人じゃないし、……な!

「それじゃあ行こうか、何処行く?」
「ヒロトの好きな所かな」
「……なんか本当に恋人同士みたい」
「あ……そうだな」

ヒロトも照れくさいのか白い肌が少し色づいて赤くなっている。
男なのに可愛いな、なんて思ったり。いやいや俺正気に戻れ、相手は男だ。

「俺ね、この公園好きなんだ」
「そうなのか?」
「うん、ここの桜が凄い好きなの、もう散っちゃったけどね……」

確かにここの桜は綺麗だよなぁ。
俺も学校の帰りとかに良く寄ってベンチに腰を掛けて桜を眺めてたっけ。
それで時々公園でサッカーやってる小さい子に混じってサッカーやったよなー。

「風丸君、近所の子とここでサッカーしてたでしょ」
「ヒロト見てたのかよ」
「凄い楽しそうで声掛けられなかったよ」

そう言ってヒロトは笑った。ホントに綺麗に笑うよなぁ。
エイリアの時とは全然違うや。もっと冷たい感じの奴かと思ってたけどそれの真逆だった。
円堂がヒロトを変えたんだろうなぁ。……なんだろう、このモヤモヤは。
俺は居ても立っても入れなった。

「……ヒロト」
「なあに?」
「今度ここでサッカーやろう、一緒に」
「サッカー?……いいよ、久々だしね、俺も風丸君と一緒にやりたい」

何でか知らないけどヒロトとサッカーがしたかった。
夢中でボールを蹴っていたかったんだ。

「なんだか今日暑いね、何処か喫茶店に行こうか」
「そうだな、まだまだ時間は沢山あるしな」




俺と彼の高校生活



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