5月





高校生2年5月









新しいクラスになって一ヶ月経った。
ぶっちゃけ辛い。ヒロトを教室内で見れないってのは結構辛い。
今のクラス誰も知らないし……

「風丸顔が死んでいるぞ」
「……そりゃ死にたくなるさ」

前言撤回。知ってるけどあまり喋った事がない奴が居た。
涼野風介。元エイリア学園のダイアモンドダストのキャプテンガゼル。
何か知らんが同じクラスだった。

「ヒロトが心配なのか?」
「なっ、そ、そんなわけ」
「見てて分かる。つまらなさそうだ」
「だってさー一緒に居る時間減っちゃったし」

涼野に何でか知らんけど俺がヒロトの事好きだとばれた。
涼野曰く、「わかりやすい」って言われて……そんなに分かりやすいんだろうか。
でも幼なじみだしヒロトの事好きなのかな、って思って聞いてみたら、好きだけど友人の好き、だと言っていた。
な、南雲はどうなんだろうな。南雲凄いヒロトの事好きそう。

「そんなに気になるなら晴矢に聞けばいいじゃないか」
「えぇー、それで聞いて好きって言われたらどうすりゃいいんだよ。幼なじみの壁はなんだかんだで高いんだから」
「へぇ」

興味なさそうに返事をして窓の方を向いてしまった。何だよー、この話終わりかい。

「あ、ヒロトと晴矢」
「ど、何処!?」
「あっち」

涼野があっちと指さした方はさっきそっぽ向いた窓の方。
勢いよく窓から顔を飛び出させるとそこには仲良くしてる二人が、二人が。
南雲がうとうとしているヒロトを後ろから抱きしめて、くすぐったり、やば、モヤモヤする。

「ヒロトは鈍感だから言わなくちゃ分からないぞ」
「分かってる。住んで分かったわ」
「だったら何で」
「前なら言ってたかもしれない。でも南雲もヒロトの事好きだったら俺横取りしてるみたいじゃん」

もし南雲がヒロトの事好きだったらそれは俺より前に好きになったかもしれないって事だ。
なのに急に俺がヒロトに告白して仮に付き合うとしよう。そしたら絶対南雲が悲しむっていうか、納得しないって思うし。
それって言い訳じゃないの、って思うかもしれないけど、やっぱり俺は横取りなんて出来ないよ。

「バカだね、君は」
「なんだよ、悪いかよ」
「別に。それが君だろ?」
「……まぁ、そうなのかな」

でもこう言ってても仲良くしてるヒロトと南雲を見てるとイライラするわけで。
この気持ちどうすればいいんだろうな。

「俺恋愛で相談出来る人出来て幸せかも」
「感謝するんだな、礼はあのファミレスのパフェでいいからな」
「今月キツイんだっての、弁当二つ作らなくちゃいけなくなっちゃったし」

前は一つの弁当箱で俺とヒロトって分け合ってたけど今は別クラスだからって一人一つの弁当箱。
何気に弁当の出費が多いなー。

「じゃあヒロトを誘おうか」
「よし、行こうか」
「でも3人じゃ奇数だな。晴矢でも誘うか」
「ぐっ」

あーもー何だこのモヤモヤはー……。




俺の彼の高校生活





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