1月





高校1年1月







「あけましておめでとうございます」
「今年も宜しくお願いします!」


あっという間に年を越してしまった。
テレビで笑っちゃいけない見てたらホントあっという間だったなぁ。
カウントダウンの方をテレビで見てたら年を越したって分かるんだけどなー。
でもヒロトがこっち見たい、笑って年超したいって。

で、俺は今どこにいるかというと……外です。
今日は1月2日。隣にはヒロトがいる。今から何処に行くのか?っていうと、俺の家に向かっている。
家って言っても……今住んでいる家じゃなくて俺が中学まで住んでいた家。
俺がヒロトにおひさま園には帰らないのか?って聞いたら、

「三日に帰ろうかなって。風丸君は?」
「俺は二日に家に帰ろうかなーって思ってる」
「……俺風丸君のご両親に挨拶したい」

ってわけである。
そういえば友達と家に呼ぶなんて円堂以来かもしれない。
円堂も小学校が最後でそっから来てないし……やばい柄にもなくドキドキしてきた。
なんて紹介しよう。俺と同棲している……いや、一緒にルームシェアの方がいいな。
ルームシェアしてる基山ヒロトで、同じクラスで仲良くさせていただいてます?何かおかしい。

「ねー風丸君!」
「え?何だ?」
「風丸君が案内してくれないと家分からないよ。何ぼーっとしてるの」
「ちょっと考え事してて……」
「しっかりしてね?」

ごめん。
まぁ家に着いてから紹介すればいいか。
ヒロトと一緒に住んでいる家から電車に乗って二駅。
そこから徒歩5分の場所に俺の家はある。だから……お、見えた。

「あれだよ」
「う……わ、立派だなぁ」
「普通じゃないか?」

三階建てだけど縦に長いだけだしな。横にはあまり無いし……。
でも、まー広いっちゃー広かったかなぁ。兄弟も多かったし。

一応家のチャイムを鳴らすと中からバタバタと足音がこっちへと近づいてくる。
母さんは走らないし……兄貴かな?

「一郎太、帰ってきたか」
「ただいま」
「……後ろに居るのって」
「ああ、後で紹介するけど……」
「か、母さん!一郎太が彼女連れてきたあぁあ!」

……は?
兄貴の豹変ぶりに俺とヒロトは呆然としてしまった。
彼女?何処に居るっていうんだ。まさかヒロトの事を女の子と勘違いしたんじゃないだろうな。

「ちょっと、兄貴!」

と叫んだ時にはもう兄貴の姿は無く、リビングの方から、えー!?なんて母さんの声が響いてくる。
ちょ、ちょ……。

「はは、俺ってそんな女の子かなぁ」

ヒロトは声は笑ってるけど顔は若干ショックな顔をしている。
確かにヒロトは綺麗な顔はしてるけど女の子っていうか、確かに女の子だけど、いや、女の子じゃないけど、男の子だけど。
って俺は何を言ってるんだ、落ち着け、まず誤解を解かないと。

「とりあえずヒロト入って誤解を解こう」
「う、うん」

バタバタと早足でリビングへと走る。

「ちょっと母さん、兄貴!」

バンッと勢いよく乱暴にドアを開けると、ぱんぱんっと音がして俺の頭上に紙吹雪が舞う。

「……はい?」
「一君、おめでとー!」

母さんが使ったクラッカーを放り投げて後からやってきたヒロトに向かって駈けヒロトを抱きしめる。

「うわぁ」
「可愛い彼女さんねー、一君の何処を好きになったの?」
「あ、あの、俺彼女じゃなくて」

ヒロトはべりっと母さんを引き離して上着を脱いで上半身裸になった。

「ちょ、ヒロト何やって」
「俺男です!」









「なーんだ基山君男なのかー」
「すいません」
「何で謝るんだよ」

ヒロトが上半身裸になった時はビックリした。
俺達は今食卓を囲んでいる。ご飯だ。
父さんは一人旅をしているらしく今家に居ないらしい。まぁ、父さんも家に居たらもっと面倒くさい事になってたかもな。

なぜか兄貴とヒロトは意気投合してしまって仲良さげに話しちゃってる。俺も混ざりたい。

「でも可愛い子ねー」
「そ、そんな」
「一君にこんな可愛い友達が居るなんてね」

あ、そうだ。と母さんは立ち上がり、ケーキケーキと鼻歌を歌いながら台所へと向かっていった。

「ねぇねぇ風丸君」
「んー?」
「一君って呼ばれてるの?俺も呼んでいい?」
「えぇ!?ばっ、やめろよ、恥ずかしいだろ!」
「恥ずかしいの?」




俺と彼の高校生活



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