11月




高校1年生11月








「分からない……」
「俺も分からん……」

ただいまテスト勉強中です。
俺も風丸君もテスト範囲とにらめっこ。
別にお互い凄い勉強が出来ないってわけじゃなくて……お互い凄い不得意な教科がある。
俺は数学。風丸君は国語。
どーもこれだけは分からない。
だから俺は風丸君に国語を、風丸君は俺に数学を教えるってなったんだけど……分からない。
何でxが4になるの……xって数字じゃないじゃん!何で求められるの!もう求めなくていいよ!

「作者の気持ちなんて分かるわけねーだろー……俺が作者に何したっていうんだよ」

お互いこんな状態だったりする。

何でこんなにお互い必死なのかと言うと……。
このテストで赤点を取ると、冬休みに補修に行かなくてはならないというつまらない二学期最後のイベントが残ってる。
それはクリスマスイブとクリスマスの日も補修がみっちりとあるらしい。
せっかく風丸君と一緒に住み始めて初めてのクリスマスなのに補修ってのはさすがに寂しい。だから俺たちは必死。

「あ、じゃあさ風丸君、こうしよう!」
「……えー?」
「作者じゃなくて風丸君だったらって考えたら?それだったら分かるでしょ?」
「作者じゃなくて……俺、ねぇ」

そうぶつぶつ言いながらまた風丸君はプリントに向かっていく。
俺はこの公式という訳の分からない規則を覚えなくてはならないわけで。
……分からないや。

「俺ちょっとコーヒー作るね」
「あ、じゃあ俺もコーヒー欲しい。ヒロトの煎れたコーヒー超好き」
「インスタントだけどね」

コーヒーで少し頭が冴えるかも、と思いつつコーヒーを煎れる。
風丸君はブラック。俺は砂糖と牛乳多めのコーヒー。これってもうココアっぽいな。

「やっぱヒロトのコーヒーうめぇや」
「ふふっ、ありがとね」

んーやっぱり俺は甘い飲み物が好きかな。

「なぁヒロト、お互い赤点取らなかったら一緒にケーキ食べに行かないか?」
「け、ケーキ!?うん!行こう行こう!」

甘いモノ……!テスト後だし確かに甘いモノが食べたいかも。
風丸君ナイス!何処のケーキがいいかな?何のケーキにしようかな?

「でも赤点取ったら無しだからな」
「あ、……が、頑張るね!」

このxだろうがyがろうが今の俺にとっちゃ敵じゃない!

「風丸君俺頑張るからね!」
「ああ、俺も頑張るな」
「お互い赤点回避しよう!」




俺と彼の高校生活



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