今日は風丸君とデートです。
しかも実は初めてのデート。行く場所は特に決めて無くて行き当たりばったりなデートになるかもね、って風丸君が。
お互いの休みの日は何処も娯楽施設がお休みで……ぶらぶらでいっかって話になった。
でも初デートだもんね!
何処行きたいかは決めておこうかなって思ってる。服装もどうしよう。
だらしない格好だったら風丸君がっかりしてしまうかもしれない。
と、いう事で結局オレンジ色の上着を羽織って中には黒と紫のTシャツという事で落ち着いた。
本当にこの格好で良かったのだろうか。
しかも待ち合わせ時間の一時間前に来てしまった。緊張しすぎて早く起きて早く準備して早く家を出てしまって……。
もしゆっくり起きてゆっくり準備してゆっくり家を出て風丸君を待たせてしまったらどうしようって思ったら居ても立っても居られなくなってしまった。
「後30分か……」
「ヒロト……?」
ふっと名前を呼ばれてなんだろうと思い振り向くとそこには風丸君が。
え?まだ30分前だよ?
「随分早いんだな、ヒロト」
「ど、ドキドキしちゃって」
そう言うと風丸君はボッと顔を赤くして、俺も、と小さく微笑んだ。
とりあえず歩こうかという事になって色々うろうろする事にした。
俺は近々雷門中に転入する事になっている。俺は全くこの辺りが分からなくてと風丸君に相談したら、じゃあ俺が案内してやるよ、と。
「とりあえず腹減ったな……」
「じゃあ何か食べようか、何処がオススメ?」
「そうだな、じゃああそこにしようか」
風丸君があそこと指さす場所。
……ラーメン屋さん?
「風丸君あそこってラーメン屋さん?」
「ああ、そうだけど嫌か?」
嫌も何も……初デートだよ!?
初デートでラーメン屋さんって……ゆっくりお喋り出来ないじゃないか。
お互い無心でラーメンすすって、体が熱くなって鼻水が出ちゃったりするじゃないか。
そんな姿を風丸君に見られると思ったら食事どころじゃない。
「馬鹿!初デートだよ!?」
「……はぁ?」
「初デートにラーメンって……恥ずかしくて俺食べられないよ……」
「そ、そうなのか?」
そうだよ、と言うと風丸君は、じゃあ違う所に行くかと言いまた歩き出す。
良かったこれで恥ずかしい姿を見られずに済む。
「じゃああそこのファーストフード店でいいか?」
「だ、駄目だよ!」
大きな口開けて食べる姿とか見せられないよ!