小説 | ナノ


ヒロトちゃんと吹雪君が女の子でヒロトちゃんと円堂君は付き合ってて同じ雷門中に通っています


















「え、ヒロト君ブラジャー付けてないの?」
「う、うん」

学校が終わって俺と吹雪君は一緒に帰宅。
その途中で喫茶店に寄って俺達はお茶をしていた。
なんでこんな話になったかと言うと、吹雪君が部活の疲れで伸びをした時にブラのホックがはずれた!と言い出したのが発端だ。
それで俺が、ブラジャー付けてるの?俺はまだだな、なんて言ったからこうなってしまった。
それと吹雪君、声が凄く大きいです。

「あ、ゴメンね、大きな声出しちゃって」

吹雪君は顔を真っ赤にして水の入っていない氷だけのコップに口を付けて氷をガリガリと噛んだ。
俺も氷ガリガリ好きだなぁ、でも姉さんにお腹壊すからやめなさいって怒られたっけ。

「僕たち今中2だよ?さすがに着けてないと……」
「だって着けてどうなるってもんじゃないし……」

吹雪君は、あっりえない!とため息をついて机をドンっと叩いた。
こんなに荒ぶる吹雪君は初めてかも知れない。んんん!と言いながら、お姉さんお水おかわり!と言った。

「着けてどうなるもんじゃないって事じゃないんだよ、透けちゃうよ?体育の時とか、後形とか悪くなっちゃうし……後……」

後?
吹雪君はさっきより顔を真っ赤にして、もごもごとし始めた。
何か言いにくい事なのかな?

「……乳首擦れて痛いじゃん」
「……あー、そういえばそうかも」
「ね!?だから今から買いに行こうよ!」

……え?今から!?
吹雪君はそうしよう、そうしようよ!って言って店員さんが持ってきてくれた水を手に取って一気に飲んでレジへと向かっていった。
俺も払うよー!と言って後ろから追いかけたが、後でお金使うから残しておきなよ、と言われてしまった。ああ、絶対買うんだ。








「あ、これヒロト君に似合いそうだよ!」

吹雪君は凄く楽しそうに沢山のブラジャーを持ってきてくれる。
でも、ゴメン、全部同じようなのにしか見えないや。
何でブラジャーにこんなお金かけなきゃいけないんだろう。円堂君と一緒にお出かけするお金にした方がよっぽどいいよ。
それに、何でこんなに派手な装飾品も付いてるんだろう。
ただでさえ胸で重いのにこんな良く分からないものまでワサワサ着けたら余計重いんじゃ……。

「ちょっと、ヒロト君。選ぶ気あるの!?」
「ご、ゴメンね、俺よく分からなくってさ」
「ヒロト君聞いて。ヒロト君はいずれキャプテンと大人の階段に登るんだよ、それなのにいざっていう時に変なブラジャーしてたら萎えちゃうよ。ガッカリされちゃうよ、きっと」
「そ、そうなのかな」
「そういうもんだよ!」

大人の階段って……。俺達まだ中学生だよ。
そういえば俺がまだ小さい時に姉さんがヒロトは大きくなったら素敵な女性になりなさいね、みたいな事言ってたなぁ。
素敵な女性って大人の階段を登った女性の事を言うんだろうか。よく分からないや。
でも、円堂君にガッカリされるのは嫌だなぁ。

「吹雪君、俺選ぶよ」
「おお!その気になってくれたの!?」
「円堂君にガッカリされたくないしね」

そう言って俺は選び始めた。
どれも同じような感じに見えるので、自分の好きな色から選ぶ事にした。
そして派手すぎずしかし地味すぎず大人っぽいのを選んだ。
……ほとんど吹雪君に押しつけられたみたいな感じだけど。

でも、円堂君に見せるって思ったらドキドキしてきた。
何て言ってくれるんだろう。








次の日、部活が終わった時に円堂君が今日俺の家に来ないか?と誘ってくれた。
吹雪君には、やったね!お披露目チャンス!何て言われてしまった。
そんな今日大人の階段登るわけじゃないのになぁ。
そう思いながらも吹雪君には、頑張ってくるよって言って円堂君と一緒に家に向かった。

「最近ヒロト部活頑張ってるよなー」
「うん、思いっきりサッカーやれて楽しいんだ」
「良かったな、ヒロト」
「うん」

こんなに普通の会話から大人の階段って想像が付かないなぁ。
そう色々話していると円堂君の家に着いた。
普通の一軒家。どこにでもある家だ。凄く生活感に溢れてて俺は凄く円堂君の家が好きだったりする。

俺は部屋に通されて、何か飲み物持ってくるよと円堂君は言って台所に下りていった。
とりあえず俺はベットに腰を掛ける事にした。部活で疲れたのかちょっと眠たくなってきた。
ベットに横になる。すると、布団から円堂君の香りがふわりとした。ああ、落ち着く。

「ヒロトお茶しかないけどいいか、……お、眠いのか?」
「んー、疲れちゃったかなぁ」
「俺も今日は疲れたかなぁ」

でもせっかく円堂君と一緒に居るんだし!って思って俺はベットから起き上がった。
……何を話そう。吹雪君はお披露目チャンス!とか馬鹿な事言ってたなぁとか思い出す。
そんな見せるのは恥ずかしい。じゃ、じゃあ聞こうかな。

「円堂、くん」
「ん?」
「円堂君はさ、ぶ、ブラジャーってどう思う?」
「ブラジャー!?」

俺が急に訳の分からない事を言い出してビックリしたのか素っ頓狂な声を出した円堂君。
ご、ごめんね、訳の分からない事言って、って言ったら円堂君は真剣な顔で何かを考えていた。

「俺はさ、ブラジャーとかどうでもいいんだよ」
「ど、どうでもいいの!?」
「ああ、だってもしスる時になったらすぐ取るじゃん」
「あ、そ、そうなの」

急にこんな話して変だぞヒロト、と円堂君は笑ってお茶を飲んだ。
そ、そっかどうでもいいのか、円堂君に取っては。
俺……俺なりに一生懸命選んだのになぁ。

「で、ヒロト今日俺の為に新しいの着けてきてくれたんだろ?」
「ぶはぁ!」

ビックリしすぎてお茶を吹き出してしまった。
な、何を急に……。
吹き出してお茶が服にかかってしまった。円堂君が変な事言うから……。

「吹雪が言ってたんだ、良かったら見てくれって」
「……吹雪君……」
「それに今ヒロトお茶が服にかかっちゃったろ?だから脱がないと服染みちゃうぞ」

……俺、脱がなきゃいけない感じですか?

「ほら、早く!}

円堂君はサッカーをしてる時みたいな笑顔で俺に迫る。
う、うう、そんな円堂君も好きだよ!バカ!


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