小説 | ナノ







只今の気温36℃。



――今日の練習もの凄く暑い。



元陸上部な俺は毎日走り込みもしていたし、サッカー部に入っても体力作りの為に走って体力には自信があるが暑いわずっと走りっぱなしわで俺の体力も限界だったりする。
ホント今日暑いなぁ。
鬼道なんかあのマント暑くないのか?俺があのマントを巻いて走ってたりしてたら……と想像してみたらドッと汗が出てくるような気がした。
俺も暑いから髪を結ってるってのもあるんだけど……。
各自それぞれで暑くならないように工夫をしてるみたいだ。
木暮なんか壁山の陰に隠れてるしな。

……不動は……あの頭で直接太陽浴びたら日焼けするんじゃないのか?
でも不動白いよなぁ。もしかしたら練習前に一生懸命頭に日焼け止めを塗っているのかもしれない。そう考えたら吹き出しそうになった。
しっかし今日は暑い。

「豪炎寺すまない、ちょっと水分補給してくる」

そう言って俺は笑いそうになるのを堪えながらベンチへと向かった。
マネージャーが用意してくれているスポーツドリンクがあるんだ。
自分のを取って乾いたノドを潤す。うまい。
少し零れたスポーツドリンクを手でピッと吹いて俺はまた豪炎寺の元へと向かっていった。

「今日本当に暑いよなぁ」
「そうだな、熱中症にならないように気を付けろよ」
「ああ」

そういえば豪炎寺は医者の息子だったな。
そこらへんはマネージャーより詳しいのだろうか。まぁ、今は練習だ。

俺はとりあえずシュート練習をしようと思い近くにあるボールの元へ向かおうと思った。
けど、ふと視界にヒロトが見えた。あの赤い髪の毛、すぐ分かる。吹雪と一緒みたいだ。
最近二人が仲良くて嫉妬……なんてしてたりする。でも、吹雪は染岡にぞっこんだしな、しかし肝心の染岡は気付いてないご様子。

ああ、二人は水分補給か。

「……あれ?」

ヒロトの持ってるあれって……俺のスポーツドリンクだよな。
え?ヒロト間違えてるのか?
……ちょっと、もしかしてあれって、か、かかかか、間接キスというやつじゃないのか?
ヒロトは気付いてるんだろうか。
ヒロトは相変わらず吹雪と会話を続けている。気付いてないのかな。







練習が終わり食堂でご飯になった時、ヒロトに俺は聞いてみる事にした。

「あのさ」
「なあに?」
「今日さ、ヒロトスポーツドリンク飲んだだろ?」
「そりゃノドが乾くからね」

ヒロトは気付いてないみたいだ。

「あのスポーツドリンク俺が飲んだのだったんだけど……」
「え、そうなの?ゴメンね、今度俺のあげるから許してくれる?」

――え、それだけ?
普通、「え?嘘!風丸君のだったの!?ご、ゴメンね俺知らなくて!」って恥ずかしがるもんじゃないのか?
……なんだか少しガッカリだ。
間接キスぐらいで照れるな!小学生かよってか。
そう考えてみればヒロトはおひさま園に居たわけだし、間接キスなんてしょっちゅうだろうなぁ。
俺の考えすぎかー。



「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -